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2016年12月 6日 (火)

無様でも結構

この間の南伊豆道草ウルトラマラソンで、よくマラニックで一緒になるK山さんにお会いした。

薄暗いスタート前、突然出合って「K山さん!!」と声を掛けると「あんた、誰だい」と返ってきた。

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K山さんは現在84歳で100kにエントリーしていたのだが、次の言葉が「最近、ここが駄目で・・」と自分の頭を指差して、照れくさそうな笑いを浮かべた。

今年はニューヨークマラソンにも出場したと伺っていて、老いてなお矍鑠としておられる。

だが、その彼にして、認知能力はかなり低下している様子であった。

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それでも彼は、自分の玉手箱を開けることなどせず、世界中を飛び回っている。

昔話の浦島太郎は、僅か数日間竜宮城で過ごしたはずなのだが、浜辺に戻ってみるとどうも様子がおかしい。

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村の佇まいも辺りの景色も様変わりしていて、知り合いすら居なくなっていた。

すっかり世の流れに取り残されてしまっていて、強烈な孤独感を味わうことになる。

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止む無く禁断の玉手箱を開けて、その煙と共に老いさらばえ、一人浜辺にただずむのである。

浦島太郎の物語は、或いは童話ではなく、この老化と言う宿命を背負った私達への警鐘だ。

殊更竜宮城で快楽の日々を過ごした訳ではないのに、何時の間にか世代は変わり、役割だって漸減して、自分の居場所はドンドン狭まっていく。

昔の隠居ならそれなりに尊重されもしたろうが・・・と思えど、子供達も自分の事で精一杯だ。

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俄然、私達の未来は、浜辺に佇む白髭の浦嶋かと考えても致し方なかろう。

しかるにK山さんは、周りの雑事は物ともせずに、いまだ一人竜宮城に遊ぶのである。

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私もこの歳になると、歳を取るのは可哀そうなことで、とかく俺は彼より若いって慰めるようにもなる。

だけど所詮は五十歩百歩で、人間誰しも歳を取るのである。それが現実だ。

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顔は皺ばみ、髪は抜けて、動きは鈍くなるし、残りの時間は少なくなる。

K山さんは、だから今やる。

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古稀になんなんとする私だって、負けてたまるかって思いである。

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