色即是空
最近はかなり難解な哲学書などを、自分なりに無理して読もうとしている。
何が書いてあるのかさっぱり要領を得ないが、それでも少しだけ分かったような気にはなる。
例えば、仏教で最も知られているお経は般若心経だが、あれも立派な哲学講義である。
お釈迦様が語ったとされているもので、とにかくこの世界は全て「無」だと強調している。
経文を紐解いてみるとザット次の様で、
無無明 亦無無明盡 (迷いなどは無く、故に亦、迷いがなくなることも無い。)
乃至無老死 亦無老死盡 (老いも死も無く、故に老いや死がなくなるということも無い。)
無苦集滅道 無智亦無得 (苦しみも苦しみをなくす道も無い。知る事も得る事も無い。)
以無所得故 (得ると言うことが無いのだから。)
菩提薩埵 依般若波羅密多故(菩薩とならん、般若波羅多に帰依するが故に。)
心無罜礙 無罜礙故 (知恵は満ちて心無く、故に知恵も無く)
無有恐怖 遠離傾倒夢想 (恐れすらないのは、夢想することを遥かに離れたからだ。)
究竟涅槃 三世諸佛 (菩薩は既に涅槃に入っているのである。)
依般若波羅密多故 (般若波羅多に帰依するが故に)
これを色即是空・空即是色の世界と言うのだろうが、こんな難しいことを唱えられて、
果たして人は成仏できるのだろうか? (私なら、棺桶から起き上がって説明を求めるところだ)
この宇宙と一体化するから空の様に「無」だと言うが、それじゃ涅槃は何処にあるのかと。
実は本当は天国も地獄も、そして涅槃だってありゃしない・・・全て無に帰るのだ。
そう・・・私達は生きているからこそ、迷い悩み、苦しんだリ恐れたり、夢想したりするんだ。
今日一日畑で汗をかいてかなり疲れたが、それもこれも生命の発露なのである。
「無」なんてことではなくて、そこには一歩前に出れば一歩前進する世界がある。
ともあれ分かったようで分からない様な、70年生きても人生は分からない。
しかし、この先何があるのか分からないから、人生は面白いんだよね。
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コメント
兄貴、今更般若心経ですか??
兄貴の様な優れた方が・・・
しかし般若心経を有り難い教として意味も知れず唱えるのは、現代には合いませんね。
書かれてる事は、仏陀が、弟子に送った手紙文ですよ。
書かれてる事を理解する事は、悩みなき凡人には、不可能です。
まだ道元の修証義の方がわかり易いし
素晴らしい道徳文です。
学校の道徳に使えますよ。
宗教学は、当時仏陀の哲学です。
教とは、呪いでは無いと私は思います。
呪いにしたのは仏陀以後の布教者ですね。
他の宗教でも同様では無いでしょうか?
仏陀に戻りますが、仏陀は、今ならとても優れた心理学者だと思います。
仏陀の真理を読んで行くと本当に納得させられ幸せな気持になります。
彼は、とても優れた方だと思えます。
話は少し違いますが、スリランカの初代大統領のJ・R
・ジャヤワルダナをご存知ですか?
1951年サンフランシスコ講話会議の彼のスピーチは、とても素晴らしい仏陀の真理の言葉でした。
彼のスピーチのお陰で日本は、分断統治から逃れて自由に成れました。
言い過ぎですかね、でも彼の言葉の力は、大きいです。
イギリスやアメリカの憎しみを癒したに違い有りません。
兄貴の様な方は、仏陀の様な知的で包容力が有り、悩み全てを受け入れ解決して頂ける存在に成れるのだろうと思いますよ。
投稿: ひろ | 2017年5月20日 (土) 13時51分
ひろさん、久しぶりですね。それでいきなり難しい仏教談義。そんなことを、何時勉強したのかなぁ〜。
実は私なぞは、おそらく死ぬまで生臭い人間で、お釈迦様の境地なんて分かる筈もなく、ただ形而上納得したような気になるだけですね。自分の本音のところでは疑っている。それにしても日本人は、仏教をただのお経にしちゃったんだよね。残念ながら。
山草人
投稿: 山草人 | 2017年5月22日 (月) 20時39分