南アルプスと伊那山地に挟まれた谷間に佇む遠山郷、その山里を走るマラニックだ。
主催は地域おこしを目指す地域ぐるみの実行委員会で、今回で11回目を迎える。

兼ねてから知る人ぞ知る人気の大会なのだが、毎年丹後100kと重なって私は初参加だ。

前夜は遠山川の畔に張ったテントで、沢音と虫の声を子守歌に寝たのたが、

まだ暗いうちから、ざわざわと周りは動き出していた。

朝の五時半にはスタート地点に熱いお茶や特産の饅頭が用意されていて、ランナーが起き出してくる。

その道の駅遠山郷では6:00に開会式が始まって、式の最後は神主の祝詞の後、お守りの木札が全員に配られる。

私もこのお守りを首に掛けると、何となく今日一日の快適なランが約束された様な気になった。

6:30記念撮影の後、参加の150人余が三々五々(?)スタートして行く。

(どうやらこの大会は、人それぞれの楽しみ方があるようだ)

私はむしろ先頭集団に近い位置で小嵐山を登っていくと、最初の合戸峠にエイドがあった。

「あいど」とは、その昔山の両側から登ってきた人達が出会う峠だったことに由来するという。

さらに山頂近くまで登ると子嵐稲荷神社があって、村の衆が太鼓を打ち鳴らしながら待っていた。

この稲荷社は何と正一位とあって極めて位が高く、静岡方面からの講も組織されているらしい。

この山を一気に駆け下ると、そこには旧木沢小学校(猫の校長先生のいる博物館)があって、

やはりここにも村の衆がご馳走を準備して待っていた。(ここでは蕎麦と栗を戴いた)

更に進んで旧森林鉄道の梨本停車場から右折して、遠山川を遡ってあの下栗の里に向かう。

川沿いの道を行くと、やがて道はつづら折りの山道になって、ここは流石に歩く他なくなった。

この日本のチロル(オーストリアのチロルに似ている)と呼ばれる里は、標高1100mまで続いていて、

その頂き近くのはんば亭に盛大なエイドが設営されていて、

ここでは揚げ饅頭やらブルーベリー、リンゴと梨の砂糖漬けをたっぷりと頂いた。

更にその1k先に「天空の里ビューポイント」があって、林間の道を辿ると下栗の里を見下ろす絶景が広がった。

この地点が25kで今回のコースの半分弱に過ぎないのである。

さてもここからは下りが多くなって、先ずは下栗林間遊歩道を下ること2.5k余り。


そして中根集落に入ると、ランナー大勢がたむろしていて宴会状態ではないか。
私もこの中に加わって、栗汁やら栗結び、それから色々と腹一杯戴いて、
そこに根が生えるのを恐れて、その先を急ぐことにした。


更に山をずう〜ッと下り切ると、梨本ていしゃばで、ここでは幻の豚の葱まを戴いた。

流石にお腹が重くなったのだが、まだ先は遠く川沿いの道をひたすら進んで、今度は名水の源である龍淵寺への石段を登る。

かつての遠山和田城跡とかで、このエイドで給水して、最後の八重河内地区の山に向かう。

途中の陶芸館ではヤマメを焼いて下さっていて・・・流石にもう食べられなかった。

しかしながら更に山を登らねばならず、ほとほと参った頃、


村のエイドがあって、ここではスズメバチのから揚げとハチの巣密を戴いた。

スズメバチのように坂を飛んで降りられるというのだが、・・・ともかく15:00近くゴールに辿り着いたのである。


最後はかき氷を戴いただいたのだが、この日の実質走行距離は54kくらいかな。
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