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2017年10月17日 (火)

吹き来る風

連日のように秋雨が続いていて、屋外の行動が制約される日々である。

それで専らハウスの中での作業になっていて、今日はホウレンソウの播種床を作った。

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ホウレンソウにも嫌地性があって、同じ土で栽培しようとすると、次第に育たなくなるのだ。

だから播種床を作るには土を何度も洗って、嫌地物質を流し去ってから畝を作るのである。

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当然ながら播種までが大変で、後は水やりを怠らなければ、すくすくと成長していく。

ともあれナス科や瓜科などの植物は、新天地でこそ清々と育つのである。

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人間にも同様な性質があるらしく、世に偉人と言われるほどの人は、大抵出生の地とは異なった所で苦労しつつ大成した人だ。

正に「艱難汝を玉にす」なのだと思う。

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この点私は、素材の粗末さはさておき、生まれてからこの方ぬくぬくと居着きで今日まで来た。

学生時代ですら自宅から通ったのだから、まさに苦労知らずと言っても過言では無い。

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そして卒業して直ぐ身近な職場に就職し、そこで盛年期のほとんどを過ごしてきた。

絵に描いた様に安穏な、尚且つ凡庸な生き方ではなかったかと思う。

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ハウスで播種床を整え終わって外に出ると、雨まじりの冷たい風が頬を撫ぜていく。

暫しその風に身を晒していると、その吹き来る風が私に「これがお前の生涯さ」と言うのだ。

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確かに世間に名を知られることもなく、平々凡々と過ごしてきたのだからムベもない。

それでも内心は、「俺だってさぁ〜、精一杯生きてきたんだ。」って叫びたい気持ちだ。

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以て瞑すべきものも見当たらない人生ではあるが、これが私の人生なのである。

「あぁ お前は何をして来たのだと・・・・ 吹き来る風が私に云う」中原中也(帰郷)

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