五万年の旅
私達の直接の先祖となったホモ・サピエンスの故郷は、アフリカ大陸南端近くだとされている。
このアフリカの南端から、五万年もの月日を費やして、南アメリカのパタゴニアまで、世界各地の五大陸に拡散したのた゜。
しかもその移動と共に、少しずつその土地の環境に適合することを、知力で学びながら。
人間以外の他の動物は、自分の体を変えて幾つもの種に分化しながら、生き延びたのだ
人間だけは、自分たちの体を変えるのではなく、「文化的」な手段で分布を広げたのだ。
つまり寒ければ毛皮をまとい、海があれば小舟を作り、身を守るために武器を作り・・って具合に。
何度もの氷河期だってあっただろうし、飢饉も乗り越えなきゃならなかったはずだ。
この五万年の間に絶滅した動物は数限りないが、人類はその生活スタイルを変えることで生き残ってきた。
植物を栽培したり、動物を飼育したりってことで、(他の動物は食料が減れば個体数を減らすのだが)
食料を自分たちでコントロールできることが、彼らの数を確実に増やしてきたのである。
そうして今、私達の文化の力は限りなく発展し、月にだって行ける能力を備えたって訳だ。
それを可能にした唯一の秘訣は、知識を継承する能力だった。
先祖の知恵を受け継いで、それに自分たちの工夫を加えて、限りなく維持・発展させていくことだ。
それには(言葉などの)知識伝達能力が不可欠だったろうが、それが可能になった故に私たちが今存在しているのだろう。
つまり私達の文化レベルは飛躍的に進歩はしたが、基本的な資質(能力)はほとんど五万年前と同じだってことだ。
ともあれ私達のルーツは、アフリカ大陸の南端(ブロンボス遺跡など)にあるのだ。
そう・・・私は、その人類の発祥の地に向かう訳で、五万年前に彼らが辿ったかも知れない砂漠を、たった250kだけど走ろうとしている。
今もナビブの一部には、原住民が半ば裸体で生活しているらしいが、彼らも私達と何ら変わっていやしない。
幾らか時間のずれはあったとしても、・・・五万年からすれば、それはさしたることじゃない。
I have a lot on my plate right now.
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