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2018年9月27日 (木)

万事茫洋

「昔は、もっと精悍な顔をしていた」とある人に言われたが、その通りかも知れないと思った。
人間年をとると、ものみな霞、山はなべて青く、万事茫洋としてくるものらしい。

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子供の頃、我が家から遠くに見える山がどんな所か知りたくて、自転車で半日かけて出かけたことがある。
行ってるとそこは鬱蒼とした雑木林で、その荒れ果てた林に幻滅したことがある。

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正に「ふるさとは、遠きにありて、思ふもの」(室生犀星)なのである。
遠くに望む山はかすんで美しく青いが、実際に行ってみればなぁ~んだってなことになる。

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これは時間に関しても同じで、今は昔となったことは、何時しか懐かしい時間になっていたりする。
子供の幼い頃はかわいかったし、いやいや出会った頃の細君だってそれなりだった。

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而して、あの頃は良かったなぁ~って回顧するのは、既に往事茫茫なのである。
緊張の連続だったあの壮年の頃だって、今は「俺に、あんな時があった」と(実際以上に)鮮烈に思い出すことが出来る。

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しかしてそれは、私だけが思い出すことの出来る貴重な時代絵巻なのである。
次々と奇跡を起こしてきたキリストが生まれ育った村に帰ると、一切の奇跡が出来なくなったという。

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有り難いと思えばこそ奇跡も起こるが、昔よく知った人間に奇跡など起こせる訳かなかったのだ。
同様に、よく知った仲間の書いた作品が良かろう筈もなく、評価など期待する方が間違っている。

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未だ見ぬ地への想像、懐かしい思い出、それに偉人だって遠くはなれているからこそありがたいのだ。
そう・・・「山のあなたの空遠く、幸い住むと人のいふ」なのである。
話が曲折したが、私の往年もやっと茫洋として、年齢に相応しくなってきたんだろう。

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コメント

奇跡、有り得ない、有り難い、ありがとう、感謝。
感謝する関係が、人の行動を奇跡と思わせるのでしょうか!?
良い話をありがとうございます。

投稿: ひろ | 2018年9月29日 (土) 05時58分

 感謝と言うよりも、人間思い込みの動物なんだよね。私のかみさんに例えると、それは痘痕も靨ってことになる。信じる者こそ救われるってこと。
                山草人 

投稿: 山草人 | 2018年9月29日 (土) 17時05分

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