« 年たけて | トップページ | 時代の醸し出す淋しさ »

2018年11月 6日 (火)

返景深林に入る

私の毎日(半日)は、大抵山(標高264mの小笠山)の中を走って過ごしている。
小笠山は大きな(1万ha程)里山だが、その中に入り込むと深山幽谷の趣がある。

Img_0999

植林地も多いが、かなりの部分がウバメガシなどの雑木で覆われ、一種奇観すら覚える。
その林に日の光が差し込んで、私の歩む一本の杣道を照らしている。

Img_1001

花は少ないが、それでも春先にはササユリや日陰ツツジ、ミヤマツツジなどが私を癒やしてくれる。

Img_1003

その山が、先の台風24号で倒木や崩落でかなり荒れてしまった。
だが、それも自然の摂理の一部で、そんなこんなを含め、丸ごとの自然は人を癒やす力を持っているようだ。

Img_1007

だからこそ人々は、山頂に社殿を築き、山そのものを神として大切にしてきたのである。

Img_1009

その小笠山は、かつては松茸の山であり、里の人々に薪炭を供給し、山裾に泉を湧かす源だった。
時は移り変わって、この山は何もしないでそこにある山になったが、山はそれ自体に価値がある。

Img_1010

一昨日はその山の中を歩き回ったのだが、隧道やため池など、そこには人と自然の間合いをあちこちで感じ取ることが出来た。

Img_1013

しかしそれでも、時の流れは何時の間にか自然を自然に帰していく。
自然との関わりの中で生きるのは何時の時代でも同じで、唐の詩人王維に「鹿柴」がある。

Img_1016

 空山不見人 (空山 人を見ず)
 但聞人語響 (但だ聞く 人語の響くを)
 返景人深林 (返景 深林に入り)
 復照青苔上 (また青苔の上を照らす)

Img_1037

山の中に人影は無いけれど、何処から人の声らしい響きが聞こえてくる。

Img_1038

日の光が林の中に差し込んで、青い苔を鮮やかに照らし出す。

Img_1043

そう・・・・そんな気分を、秋の一日タップリと味わったのである。

Img_1044

|

« 年たけて | トップページ | 時代の醸し出す淋しさ »

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/172740/67353070

この記事へのトラックバック一覧です: 返景深林に入る:

« 年たけて | トップページ | 時代の醸し出す淋しさ »