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2019年3月14日 (木)

第3ステージ(Be Steadfast !!)

心配していた雨にこそならなかったが、依然として冷たい風が吹き付けている。
昨日の過酷なコースには私自身もかなり参ったが、我がテントの2名を含め、最初の二日間で既に61名(30%)もがリタイアしてしまっていた。

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確かに昨日の山や谷は、想像を超えたスケールだった。

とてものこと、ある程度の経験が無ければ決まった時間までにキュンプサイトに到着するのは難しかっただろう。

そのリタイアのあまりの多さに、主催者は朝になって、今日のコースを42kから34kに短縮すると発表した。

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昨日の疲れも残っているせいか、誰も文句を言う人はいなかったが、それでもCP2からはDifficultと標記され、標高1,903mまで登らねばならないのだ。
ともあれ、ランナーは120数名に減ったが、クロスカントリーコースに沿って、山に分け入っていく。

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CP1を過ぎた辺りから更に急勾配になって、道などはないから、フラッグを追ってひたすら登っていく。
標高が上がってくると、昨夜来の雲が霧となって、下から吹き上がって来るようになった。

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やがてその霧が山全体を覆い、行き先を示すフラッグも見えなくなって、先行者の影を必死で追いかけていた。
風と霧は猛烈な突風となって吹きつけ、バックパックごと吹き飛ばされそうになる。

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それにタイツを履いてきたのに猛烈に寒く、正に冬山登山状態になってしまっていた。
とにかく防寒対策をしなければと大きな岩の陰に隠れ、ズボンとブレイカーを着込んだが、それすら吹き飛ばされそうである。

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これが何処まで続くのか・・・・「遭難」と言う言葉が去来し始めた頃、やっとコースは下りに入った。
下りに入って暫くするとようやく霧ははれ、遙か彼方へと続く山並みが眼下に広がっていた。

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そのうねって続く山肌の道を、ランナーが点々と縫うように続いていた。
やがてコースが左側の谷方向に折れると、俄にパノラマの視界が広がった。

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それは遙か1000mも下に広がるカールの底で、牧場や植林地、そして幾つかの別荘地が見える。
その谷底の一点に、小さく今日のテントサイトが見えるではないか。

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あそこまで降りれば今日のレースは終わるのだ。
しかしその急な下り坂は延々として続き、見えているテントサイトは一向に大きくはなっていかない。

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実はランナーにとっては、登りよりも急な下りの方が足への負担がより大きくなるのだ。
それでも下り始めて一時間半、氷河の削った底に広がる牧草地のサイトに入った。

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距離を短縮したお陰で、今日こそは陽のある内にみんなゴール出来そうである。

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それに嬉しいことに近くに小川が流れていて、川に入って体を洗ったり、暫しの寛ぎとなった。

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しかし、私達のテントには3人しか帰ってこなかった。(この日、米国のラッセルがリタイアしたのだ)
テントメイトは、三日目にして三人になってしまった。果たしてこの日が、Steadfast(着実な)日だったかどうか?

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コメント

いい文章ですね。臨場感あります。コースに苦しみ、天候に苦しみ、重い荷物のダメージはかって経験したことない痛みでした。耐えに耐えるとはこのこと。前後するハッピーは助け合いが世界をハッピーにするとの世界観で、ルールよりそれが優先するとの思想には違和感を超え、ならば私と同じ土俵で闘うなと猛烈に腹たちました。相手も障害者がいる、私も3キロしか持てない障害者。だから今まで参加見送ってました。ストックで引っ張ったり、荷物持ってやったり、目に余るルール違反。本部は目撃してないのでは。スタッフにも感謝、普通のランナーにも敬意を表します。年代1位の川島さん立派。更なる掲載楽しみです。彼らは今の隣国と同じ状態で、愛が地球を救う的発想でそれに関わらない他者はどう感じようがいいのです。 
愛はルールを超越するという、一歩間違えるとファシズム的危機をはらんでますね。レース中に大音響音楽はこの発想から来てて実は他者への思いやりのないエセの愛と私は思う。人の嫌がることを愛の名の元に平然とやる。ファンランならばいいが、サバイバルではご一緒したくありません。

投稿: 奥幸二 | 2019年3月14日 (木) 18時33分

人の一生は、自分が思っているよりも簡単に終わってしまうもの。「今」をどう生きるかが、誰にも問われているのだと思います。奥さんが、悲壮な覚悟でレースに臨んでいたのが良く分かりました。そして、とうとうあの様々な困難を乗り越えて、完走してしまったのだから、正に偉業としか言い様がありません。そう、奥さんはずっと自分と戦っておられたのだと思います。
 ハッピーには、世界中の誰もが違和感を感じていた様ですね。しかし、何しろ大集団ですから、本部も甘く見ざるを得なかったのでしょう。
 ともあれ、スカイダイビングを含めニュージーランドを堪能できた訳ですから、それで良しとしましょう。
 それに、何かにつけてお世話になりました。感謝します。どこかで、再会できることを祈念します。
              山草人
 

投稿: 山草人 | 2019年3月14日 (木) 19時25分

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