樹勢
毎年、「今年こそは、完璧にブドウを育てたい」と意気込んで取り組んでいる。
だけど、生育のステージが進むに従って、これが駄目・アレが駄目と諦めが多くなってくる。
天候であったり、剪定の具合だったり、更には前年の管理(日照)によって、それは大きく異なってくる。
そして今年の生育だが、芽の揃いや生育にムラがあって、極めて出来が悪くなっている。
その理由を考えているのだが、昨年の(砂漠に行っていて)手抜きと樹の高齢化ではないかと考えている。
ブドウ栽培を初めて20年近くになるから、少しずつ改植しているとは言え、ブドウ樹は年々古樹になっていく。
品種や樹齢によって個体差があるが、歳を取った樹と育ち盛りとでは、自ずと樹の勢いが違う。
老木は老木なりに労ってやらないと、こちらの思う通りには花を咲かせないのである。
特に今年の場合、三月の寒暖差が大きく、このために未だに芽を出さない枝すら散見されるのだ。
時折「この老木め!」と幹をぶっ叩くのだが、一向に知らん顔である。
幹にのこぎりを入れる「環状剥皮」などの荒技もあるのだが、可哀想で止めている。
と言うのも、ブドウの樹とて人間と同じ様に感情があって、「ふん、碌な管理もせずに働けってのか?」って声が聞こえるからだ。
「まぁ良いさ今年は、来年こそは頑張るしさぁ~」って、自らを鼓舞している。
而して年々歳々、何時かきっと老木の素晴らしいパフォーマンスを見せてやりたいものである。
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