今年も完走できて、本当に良かったと思っている。
夢街道は昨夜8時から始まって、浜松駅北口広場にはタップダンサーのチームが控えていた。
Oさんの司会で、タップの音高らかに闊達なダンスが始まり、私達のスタートを盛り上げて戴いた。
何事かと多くの人垣の出来る中、勇壮なソーランで盛り上がりもピークに、私達はエイエイオーのかけ声でスタートしたのである。
21時、総勢40名のランナーがライトを頭に、信州は遠山郷に向けて90kを走るのである。
途中、佐久間の西渡では八丁坂を登り、そしてまた青崩峠(1028m)をも越えなければならないのである。
実は私は当初、(自分の年齢も考え)西鹿島までの20kをワープ(電車での移動)を考えていた。
だがスタート直後に、その安易な妥協が何ともやるせなくなったのである。
慌てて仲間の後を追ったのだが、蒸し暑さに一気に汗びっしょりになっいたが、矢は放たれたのであって後戻りは出来ない。
結果として最後尾近くを走ることになって、秋葉ダムのエイドに着いたのは3:30頃になっていた。
だが心配された雨も降らずに、西渡には6時、そこからかつての細い階段が続く塩の道を登るのである。
車の入れる道も無いのに、その古道沿いには民家が並び、いまだに往時の盛況を感じさせている。
その街道のあちこちに、主催者のSさんの或いは地域の皆さんの心づくしのエイドが準備され、心温まる事が多かった。
大浜松市が周辺市町を取り込んで誕生してから10年余、多くの町がゴーストタウンを産み出しつつある。
かつての地域振興を担う主体(役場)を失って、昔からの市町は寂れるに任されている。
今回の夢街道も、そんな地域の実情を多くの人達に知ってもらいたいとの思いから始まった。
何も浜松市を縦に縦断して走ったからと俄に何かが生まれる訳では無い。
しかし、年々地域の関心は高くなっているし、私達ランナーもその大会の意義を自覚しながら走るようになっている。
今(昨年から)水窪と遠山郷を結ぶ本トンネルの工事が始まっている。
あと8年で開通することになっているが、一方で信州側の青崩峠への道は荒廃が進んで手も入っていない。
数百年もの歴史を刻む古道も、このままでは忘れ去られてしまいそうである。
私達の試みが、この地域の問題点を広く知って戴く契機となれば、正に走り甲斐があるという物である。
13時54分、山蛭にもめげず遠山郷の道の駅に無事ゴールした。
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