富士山のほら穴
今朝は昨日とは一転、宿の窓枠一杯に富士山の雄姿が臨まれた。
その秀麗な美しさ故に、或いは醸し出されている優しさ故であろうか。
そうして信仰の山として、精神的な支柱の山として、正にこの国のシンボルとして聳えてきた。
実はこの富士山、幾つも重なりあって沈み込む地構体の交点にあって、この列島の生成と大きく関わっている。
古富士や宝永など幾つもの噴火を経て、今日の単独峰としての富士山が出来上がっているのだ。
その富士山が世界自然遺産として指定されたのは2013年だが、その歴史や自然からすれば如何にも遅かった。
ともあれ世界遺産指定を機に、富士河口湖と富士宮に世界遺産センターが開設された。
今日はその二つの世界遺産センターを訪れたのである。
富士山は知れば知るほどその奥行きに驚くのだが、二つのセンターを見比べて一層その感を強くした。
富士南麓には「かぐや姫」伝説があり、その縁の地(竹採塚、囲いの道、見返り坂、鏡石など)も数多く残されている。
そして古典文学の「竹取物語」では姫は月に帰るのだが、この地の伝承では富士のほら穴に帰るのである。
確かに富士山周辺には洞穴や風穴などのほら穴が多いのだが、伝承では山頂近くの釈迦ヶ岳のほら穴とされている。
勿論今日ではその穴は不明だが、私達はそれは「人穴」ではないかと訪ねたのである。
冨士講は冨士浅間神社を出発点に、人穴を参って山頂を目指すのが習いで、その奥行き80mほどの人穴こそかぐやの里では無いかと考えたのである。
富士山が女体とすればその女陰の位置にあって、ひんやりとした洞窟の中には川が流れ、何事か秘め事を思わせる。
さても、かぐや姫はサクヤコノハナ姫であったのかどうか・・・暫しの富士漫遊であった。
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コメント
穴巡りをして登山てのが、富士講ですか?
大峰山信仰の講の登山に4回程経験が有りますが、やはり胎内くぐりとしてコースが出来てました。
穴に入って(胎内に戻って)生まれ変わるって事らしいですから、富士講そうなんでしょうか?
自然の神秘的な長期に渡る地形の変化には、もの凄いパワーを受けますね。
私の住む渥美半島は、70万年前は、海底に有り
天竜川から下り落ちる岩や砂が、沿岸流に乗って西に流れる事によって、渥美半島の綺麗な形は、形成されたそうです。
先端の中山町の畑からは、未だに天竜川の川の石が見つかるそうです。
長い自然の営みは、凄いです。
凄いといえば
去年昭和2年生まれの女性に富士山の6合目で出会って元気を貰いましたが、先日スナックに独りカラオケをしにいくと、そこにも昭和2年生まれの美しい女性が、(嘘偽り無くほんとに美人)楽しげにお酒を呑んで居られました。
新婚当時は、旧満州ハルビン市に住んでいて、旦那様と診療所をされておられたと聞きました。
店のママさんからは、80代の常連女性の写真も見せて貰い、パワー充電して来ました。
山はとても良いので、今年も富士山登山を目指したいと考えます。
カラオケスナックの国宝級の女性とお話するのもご利益ありそうな女人講ですね。笑
投稿: ひろ | 2019年6月26日 (水) 06時02分
えぇ~、生死を分けた退院から間もないのに、スナックに行ったですつて!!! 体、気をつけて下さいね。
昔から「男子の志、芙蓉の第一峰にあり」なんて言われてきましし、やはり富士山は憧れの山ですね。登るにしても眺めるにしても。今年も、元気で登りましょう。
山草人
投稿: 山草人 | 2019年6月26日 (水) 19時26分