2008年4月22日 (火)

目から鱗

今日は、私も良く分からない大変難しい話だ。Cimg5349

今日では、ゴムや繊維、或いは多くの工業製品が、高分子材料から出来ている。

そして、その物質の特性は、高分子の結合の仕方で決まってくる。

ゼリーのようなものは、連結が弱い為に簡単に形が変わってしまう。

ゴムの弾性は、高分子の架橋(連結)がタイトなために起こる。

ところが、連結が固定されているために、高分子が不均一に固定されていて、外部からの張力に対して弱い。

これに対して、まったく新しい物質が生まれたのだ。Cimg5334

東京大学の伊藤耕三教授達の研究である。

架橋点が、融通無碍に動くスライドリングゲルなるものを発明した。

連結点が自由に動くから、張力に対しても飛躍的に強固で、

幾ら変形させても、直に同じ形に復元してしまう。

信じられないほどの復元力なのだ。

ああ・・・、物質と言うものは、目に見えないところでそうして出来ていたのかと、感覚として納得してしまった。

そして今、この新しい高分子素材が、繊維や塗料、接着などの分野に徐々に広がり始めている。

革命的な発明は、綾取りのような紐の扱いの連想から始まっている。

チョツト難しくて、ごめんなさい。

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2008年3月26日 (水)

七匹の蛙

研究開発という分野には、思想が無くっちゃならない。

次の時代は、こうしたいとか、こうあるべきだとか・・・

中央農研の丸山所長には、それがある。Cimg5161

彼は、青提灯の元締めなんだけど、これからの日本の農業のイディオムの元締めになるだろう。

七匹のカエルは、そのことを象徴している。

チョツと比喩になるが、蛙の目線でこの世の中を見てごらん。

複眼だから、色々とあるけれど、Cimg5132

あいつらの方が私達よりも真剣に次の時代を考えてるかもしれないぜ。

中央農業研究センター(昔の国立農業試験場)で、私は色々と学んでいる。

一年に一度しか行かないけれど、熱い気概が彼らにはある。Cimg5127

人間さ!せっかく生きてるんだものね。

生きているうちに、自分の考えていることをやらなくっちゃね。

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2008年1月27日 (日)

ハザード

ザードではなくて、ハザードのことを書こう。

日本語では「キワ」とでも訳すのだろうか。Cimg4869

業際とか学際とかいう間のことだ。

縦割りで出来ているこの社会だ。

企業活動も役所もみんな、そのテリトリーの中で生きている。

逆に言うと、その間にこそ、落とし穴やビジネスチャンスがある。Cimg4870

昨年来の「偽」もその落とし穴だったのだろう。

福田首相が、「消費者行政の一元化」を言っているが一理あるだろう。

食品衛生や遺伝子組み換えは厚生省だし、

食品の表示規制は、経済産業省だ。Cimg4871

それにJAS法や農薬取り締まり、有機農産物表示などは農林水産省だ。

もっと言えば、O-157やサルモネラ菌、調理の過程で発生する毒性物質、

動植物がもともと持っている毒・・・食品だけでも安全の裾野は広い。

今「生命環境ハザード学」の創設を目指す動きがある。Cimg4872

私達の生活を取り巻くハザードを、一つの体系として人材を育てるのだ。

縦割りを脱して、新しい切り口を作ることが出来るのかどうか?

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2007年3月13日 (火)

一観は百見にしかず

筑波の(独)中央農研センターに来ています。

だから今夜は、携帯からの投稿です。Cimg2936

(独)中央農研センターは、かつての国立農業試験場です。

センターの丸山所長が実に魅力的な方で、おっしゃることが全く当を得ているのです。

今日のテーマ「一観は、・・・」丸山さんの言葉です。

研究者たるもの、問題意識の元でしっかりと観察することが、何気なく百度見ているよりも勝ると言うのです。Cimg2935

害虫の天敵を呼び集める誘引物質を発見したのも、その一観でした。

実は今日は丸山所長さんの要請で、この研究センターのアドバイザー委員として研究所を訪れたのです。

所長いわく、「今後五年間にわたってこのセンターを観察して、率直な意見を言ってほしい」と!

と言うことで今日は一日、このセンターの研究状況について色々と教えて頂きました。

改めて伺ってみると、センターでは、時代の求める技術開発目標をハッキリさせて、研究チームを編成。

そして、着実に成果を上げてきています。Cimg2940

私の研究所にも、大変貴重な参考になりました。

農業労働力の縮小で、国内農業が崩壊するのを防ぐには、労働生産性を上げる技術が不可欠です。

そんな研究に的を絞って、着々と積み上げているその成果を追々と紹介してみたいと思います。

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2006年9月21日 (木)

大学の秋

 最近、仕事の関係で大学に出向くことが多くなった。今日も大学は、閑散としていた。Cimg0323

 私が大学生の頃は、この時期は秋季試験だったりして大変だった。だが今日の大学の9月は、多くが夏休みになっている。

 今日大学に行って、「今時の大学生はこの2ヶ月余を、一体全体どのように過ごしているのか」と考えてしまった。

 自由度の高い青春の真っ只中であるはずの大学時代。私の時代は、大学紛争の真っ只中だった。

 大学のビルの屋上に陣取って、石やレンガを積み上げている連中。火炎瓶を作っている連中。今思えば、とんでもないやつらが一杯いた。Cimg0324

 一体何だったのかと思うが、ノンポリも含めて色々とあったことは事実だ。モンゴロイド特有のヒステリックな部分が、麻疹のように露出していたのかもしれない。

 ともあれ大学の秋は、とても静かである。

 

 

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2006年9月20日 (水)

プロジェクト研究

 今日、プロジェクト研究テーマの、学識者による評価委員会が開かれた。Cimg0320

 今では、公的な研究機関・大学も、研究費を確保するには競争に勝ち抜かなくてはいけなくなっている。つまり「私達は、こんな研究でこんな成果を出せます」というプレゼンをして、それが認められて初めて研究費を交付されるのだ。 

 それに、資金獲得のための競争率は高い。だから、能力の無い研究組織は、どんどん資金面でジリ貧になっていく。

 既に大学も国の研究所も独立行政法人化されて、国からの運営交付金は年率1%、総人件費も毎年1% 削減され続けている。同じ賃金、同じ研究をするならは、どこかから資金を得なくてはならなくなった。

 私の所属する研究所でも、例外ではない。今日のプレゼンで幾つかの研究費が獲得できないと、研究施設の電気を止めなくてはいけないかもしれない。

 人間は、一定の競争条件化でファイトを喚起する。程よい競争は、不可欠だ。しんどい戦いだけれど、皆で努力していくしかないだろう。

 それに、研究テーマを評価する外部委員だって、責任は重大だ。研究の価値判断が、正しいとは限らないだろう。が、今日の結果を、受験生よろしく待つしかない。

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2006年7月29日 (土)

細胞融合は今

 ポマト、オレタチ、ヒネ、メロチャとは、何か分かるだろうか。ポマトは、ポテトとトマトの相の子。オレタチとは、オレンジとカラタチ。ヒネは、ヒエとイネ。メロチャは、メロンとカボチャの相の子である。何れも、細胞融合によってできた植物だ。

 細胞融合とは、植物の細胞を裸にして融合させ雑種を作る方法だ。その細胞融合が世界的ブームになったのは、30年ほど以前の話である。地上部にはトマトがなって、地下にはジャガイモのできる植物が生まれたと大変な話題になった。夢のバイテク技術として、宣伝されたのである。

 細胞融合は、バイテクブームを起こした。世界中で、熱心な細胞融合の研究が始まったのだ。そうして、その結果生まれたのが前述の植物である。Cimg0171

 だが30年を経過して、ポマトを食べたことがあるだろうか。ヒネやオレタチが、何の役に立ったのだろうか。メロンカボチャなど、食べたくもないだろう。

 無限の可能性を持つとされた細胞融合は、結局何も生み出さなかった。研究とは、可能性を限りなく追求し未知を解明することだが、それを技術として生かすことは相当に難しい。

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2006年7月 2日 (日)

技術開発は誰のため

 化粧品の開発は、その使い手の要求を徹底して調査することから始まる。消費者の求めるものは何か、その製品を開発することが研究の目的である。結果として日本の化粧品産業は、三兆円もの販売を成し遂げ、一昔前のフランス製の化粧品等を凌駕してしまった。

 一方、農業の研究はどうであったか ! 戦後の食糧難時代には、いかに多くの生産を上げるか、こぞってその研究に取り組んだ。それは確かに、胃袋を満たすための消費者の強いニーズだった。だが、多くの肥料と沢山の農薬を使って最大の収穫を目指す技術は、何時の間にか生産者のためだけの研究になっていた。

 遺伝子組み換え技術は、バイオテクノロジーの最たるもので魔法の技術でもある。だがこれとても、方向を誤った。組み換え技術で最初に生まれたのは、除草剤を散布しても枯れない大豆だった。虫の食べないトウモロコシもそうだ。確かに生産し易いから、コストは下がる。消費者のためにもなるはずだ。・・・しかしやはり、日本の消費者には拒否されてしまった。そして、研究すら危うい状態にある。何故、ほっぺたの落ちるような美味しい作物を作らなかったのか。Cimg0163_1

 品種の選抜でも同様だ。作り難いと言うことは、真っ先に淘汰される要因になる。作り難いかどうかなんて事は、後から解決すれば良いことで、先ずは消費者のことを考えるべきだ。研究の目標は、すべからく消費者のニーズに設定すべきだ。研究は、生産者のためでは駄目だ。農林水産技術会議50周年の講義を聴きながら、一人そんな事を考えていた。

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2006年4月 7日 (金)

農林大学校

 入学式のシーズンですね。静岡県の農林大学校でも、今日がその日でした。県知事までが出席する、意味深い入学式でもあります。Cimg0025

 どこで何を学び、どのような環境の下でその若き日々を過ごすのかは、その人の人生にとって少なからぬ意味を持っています。新入生を受け入れる我々も、その覚悟を持って彼らを受け入れなければなりません。

 これから農業に参入する若者は、恐らく新しい業態を起こす企業人でなくてはなりません。その彼らに、どんな経営と生産の術を、それにフロンティアの志を提供することができるのか、研究者一人ひとりにとってもその真価が問われているのだと思っています。

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