経済・政治・国際

2015年12月17日 (木)

就業の未来

近くの街に、液晶だろうかディスプレイを生産している大きな工場がある。

この20年、随分景気が良いと聞いていた企業だが、どうやら近く工場を閉鎖するらしい。

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当然ながら多くの従業員は働き場を失う訳で、この寒波も一層厳しく感じているだろう。

かつての家電メーカーが押しなべて苦戦しているように、

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TVや洗濯機・冷蔵庫などの一般家電の多くが中国などで生産されるようになっている。

それでこれらの関連の生産工場もドンドン縮小を余儀なくされているのだ。

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グローバルな経済の下で、果たしてどんな産業が国内に残り得るのだろうか?

TPPとは正反対に国境を封鎖しない限り、政府がどんなに1億総活躍と旗を振っても、

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働き場が無くなっては如何ともし難いのである。

実は、TPPで最も打撃を受けるだろう農業のことを考えている。

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かつて2・3次産業が不況の折には、農業に戻って一時しのぎをする時代があった。

たとえ貧しくとも食べるものはあって、何とか暮らせたのである。

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勿論今日の農業は家族経営の小さな農業はどんどん減って、大規模経営だから・・・

簡単には雇用者を増やせないが、それでもパートなどで働く余地は残っている。

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私などの趣味の農業は最も安気かもしれない。

食べる野菜はほとんど自給できるし、米だって耕作委託先から入ってくる。

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それにTPPで価格が下がったとしても、そんなに大量に栽培してないから困ることもない。

僅かな年金でも、細々となら生き延びることが出来ると言う訳だ。

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余った野菜は近所の○×マーケットで安価におすそ分けして、地域に貢献もできる。

やはり国土(田畑や山林)を十分に生かす農業を大事にしないと困るんじゃないかな。

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高年齢者はドンドンその比重を増していくんだしね。

それに農業を衰退させることは、社会の弾力性を失わせることでもある。

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2015年10月13日 (火)

生きる糧

シリアをはじめとして中東で際限なく殺し合いが続き、留めなく難民が溢れ出ている。

何故騒乱が続くのかって言えば、それは食えないからだ。

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人は何がどうなっても食べることなしには、その生命を維持できないようにできている。

そのギリギリのところで、食べていくことができないから殺し合いが始まるんだ。

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食量が細って飢えへの恐怖が難民の流出を起こしている。

中東の困難はさておき、この日本では相も変らぬ飽食が続いている。

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誰もがこの国で(戦中戦後の様な)飢えが起こるなんて、考えようもない時代が続いた。

だけど時代を遡れば天保の大飢饉など、数知れない餓死者を生み出してきたのである。

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今この国では、1億2千万人の食料を生産することは不可能になっている。

純粋に国内の農業で支えるのが可能なのは、5千万人程度ではないか。

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トウモロコシや小麦・大豆・牛肉などと、多くの食料輸入で私達は生きている。

それは、或は私達が買わなければ中東に向かった食べ物なのかもしれないのだ。

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ともあれこの国には、まだまだ外国から食料を買いあさる金がある。

それがTPPの大筋合意で、もっともっと農産物を買うことになりそうである。

国内で有り余っている米を7万トン余、リンゴもブドウも豚肉も大量に買いますと約束した。

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ニュジーランドでは早くから日本向けにリンゴを輸出しようと準備していた。

羊のいなくなった牧草地をリンゴ畑に変え、日本の品種を栽培してきた。

だけどこれまでは関税とコドリンガの防疫で輸入が阻止されてきた。

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だけど、今度のTPPで大量輸入となれば、国内のリンゴ産地は生き残れるのだろうか。

沖縄など島嶼部の産業はサトウキビ生産だが、果たしてこれを支える行政措置が可能かどうか。

それがかなわなければ、宮古島などは無人島になってしまうのではないか。

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グローバリゼーションとは、勝手気ままな弱肉強食の経済である。

それは、人々の幸せとか国の成り立ち・文化とは相いれない思想である。

経済も大切だけど、それ以上に私達の民族の未来への担保が必要だと思うのだが。

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2015年7月28日 (火)

日本人の立位置

私達がどんな時代を生きるのかは、それは正に運命だろうと思う。

そして今、私達日本人はその運命的な歴史の分岐点に立たされている。

先日野村證券金融公共公益法人部の和田理都子研究員の話を聞いてそう思った。

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日本の人口がついこの間ピークアウトして、いよいよ人口減少時代が始まっている。

そうして統計予測によると、2100年には4,959万人になるとされている。

2100年と言ってもそんなに先でなく、高々85年先〔今年生まれた子供が85歳〕に過ぎない。

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そもそも明治の初めには、この日本列島には2,700万人しか住んでいなかった。

それが20世紀に入ってから3倍強の12,700万人まで異常な急膨張をしたのだ。

途中に第二次世界大戦を挟んだにしても、その人口の急増が今日の時代を創った。

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生産年齢層の拡大と相俟って、際立って高い経済成長を実現させたのである。

この国の制度〔年金生徒や医療保険〕もこの人口の拡大成長を前提に創られたものだ。

そしてこれからの80年間には、20世紀の人口急増と真逆のことが起ろうとしている。

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一層の少子化が続くことはもとより、超多死化社会がやってくるからだ。

もともと人口急増の一因は長寿化という側面を含んでいたが、その限界が来るのだ。

私を含めた団塊の世代などの分厚い高齢層が居なくなる自然減だ。

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政府は1億人で止めると言っているが、この自然減を食い止めるなんて不可能だし、

少子化阻止だって、とてものことそんな訳にゃいかないだろう。

だから85年後の4,959万人は、かなり固い数字だと考えた方がよさそうだ。

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問題は何が起るかだが・・・少なくとも過去の様々な制度は組みなおす必要に直面する。

不要な土地・家屋が増えるだろうし、都市集中が一層加速する。

限界集落の増加や消滅地域〔市・町〕もどんどん出てくるはずだ。

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年金や医療・介護などの制度疲労は、毎年のように政治課題になっていくだろう。

もっとも、江戸時代の人々は、かなり〔それなりに〕ゆとりある生活をしていたようだし、

人口が減ったって実際に困るかどうかは別の話かも知れない。

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ともかく、間もなく人口急減社会が到来することを覚悟しておいたほうがよさそうだ。

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2014年11月 4日 (火)

ムスリムと教育

ムスリムとはイスラム教徒のことである。

国際無法集団のイスラム国を上げるまでもなく、

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私達は、イスラム教とは何と物騒な宗教かと身構えるようになっている。

現実に世界の火薬庫はことごとくイスラム圏に起因しているのだから、

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アラーはかくも悪辣非道な宗教者であったのかと思うのも無理はない。

しかし敬虔なイスラム教徒が過激なテロリストである筈もなく、極普通の市民でしかない。

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テロを培養し続けている温床は貧困と教育にある。

パキスタンやアフガンの貧困層を支配しているのが、

オイルマネーを後ろ盾にした宗教団体だ。Img_0099

ワッハーブ派のアル・ハライマン財団や国際イスラム救援機構は、

教育の空白地域に万余の礼拝堂を建て、同じだけの神学校を運営している。

そしてその教師たちは、学も無く過激思想に洗脳されたテロリストたちなのだ。Img_0100

貧しさからの脱却を求めて神学校を頼る子供達の多くがイスラムの戦士に育てられる。

毎年、神学校に学んだ8万人余が新兵としてタリバンの戦士になっているという。

彼らは一日中、ムハンマドのコーランを唱え、ジハード(聖戦)を教えられる。Img_0101

かつて日本の特攻隊教育と瓜二つだ。

イスラム教に問題があるのではなく、イスラムに名を借りた過激集団がその元凶だ。

オサマビン・ラディンはその典型だが、その活動資金はサウジなどからのオイルマネーだ。Img_0102

ともあれ、無垢の子供達を洗脳するのは簡単な教育である。

イスラムの世界はともかく、この平和な日本では教育が国を支えている。

少子高齢化で学ぶ機会はふんだんに恵まれていると言える。Img_0103

実は、今日は私学振興大会があって、改めて私学の大切さを考えていた。

静岡県では2/3が公立校に学び、1/3の子供達が私学高校に学んでいる。

そして、その私学は多様な教育実現を目指して競い合っている。

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お仕着せの公立学校に明らかに刺激を与えているのが、私立の学校の存在なのだ。

イスラムの国々を上げるまでもなく、教育はこの国の将来を創っていく。

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2014年10月25日 (土)

民主主義の果実

イスラム国だの独裁国家だの打ち続く争乱や悲劇を見聞きするにつけ、

あぁ~民主主義の国に生まれて良かったとつくづく思う。

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確かにこの議会制民主主義なるものは、無駄に溢れているし、

その維持コストだって馬鹿にはならない。

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膨大な政務調査費や政治資金の不正使用が頻発しているけど、

そもそも政務調査費などと言うものは、議員の選挙対策費に他ならない。

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本来無くたってよい代物なのに、そいつも税金で賄っている。

議員だって、歳費を得るための職業として議員を演じている人も多い。

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それに第一、市町議会から県議会、更には国会議員まで、毎日何をしているのだろう。

この国や地域のことを粉骨砕身考えているならまだしも、

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下から上まで、その日々の行動の大部分は選挙運動。つまりは保身なのだ。

おまけに議員活動の多くは支持母体の利権擁護になってしまう。

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まさに、この制度の欠陥なのである。

私自身、勧められたとしても(誰もそんな酔狂はいないが)成りたくないのが議員だ。

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さりながら、この無駄が社会の安全弁になっているのである。

自分の託した一票がこの政治を動かしているのだから、武器を取って反逆なんて出来るはずもない。

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議員が何をしてるのか分からんという意見があって、何とか理解を進めようという動きがある。

その一環で、今日は市議会の議会報告会が開かれた。

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「議会の報告なんか聞いて何が面白いの?」って声もある。

しかしこれ、議員も必至だし結構面白いのである。

政調費の使途やら福祉、防災から教育まで、直近の話題で盛り上がる。

民主主義はさ、こんな下積みな努力が支えていくんだろうね。

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私の地区の会場では、40名余りが出席して、それなりに意味があったんじゃなかろうか。

それに議員だって人間で、立往生なんてこともある訳だしね。

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2014年10月15日 (水)

メディアの犯罪

政治向きの事は極力避けてきたつもりだが、今夜は少しだけ踏み込むことにする。

かつて天声人語や斬新な記事を載せる朝日新聞が好きだった。

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それで通勤時には、毎朝朝日新聞を持って電車に乗ったものである。

それがもう20年位前からだろうか、随分と違和感を感じることが多くなった。

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それ以上に、朝日新聞の記者の行動に辟易とさせられることも何度かあった。

朝日の若い記者に絡まれて、新聞記者の常識の無さを感じたのもこの頃だろうか。

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ともあれ今、自宅では日経新聞と静岡新聞を読み、更に職場では朝日と中日に目を通すようにしてきている。

しかしながら、何故か朝日の記事には違和感を感じることが多くなった。

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特定のテーマに関する徹底した政治的偏向である。

読者を意識して殊更左翼偏向こそが朝日の生命線と意識しているかのように感じる。

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政治家にも支持者に阿る余り自分の本音とは別の主張をする人も多い。

しかしながら、日本を代表するメディアがそうであったら、この国は悲劇だ。

まさに朝日の従軍慰安婦報道は、単に誤報でしたでは済まされない問題だ。

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事は32年前、吉田清治なる男のデマ(済州島で200人の女性を駆り集めた)を詳報したことから始まる。

程なくそれが嘘と分かって記事自体は取り消したのだが、事は国際問題に発展していく。

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やがて国際人権委員会で「性奴隷20万人」などとした報告書が採択されるに至る。

今日の日韓関係、そして米国での慰安婦の像などに発展していくのだ。

こうした流れに対して、朝日新聞はこの32年間、その謝罪すらしてこなかったのである。

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まさにメディアの国と国民に対する犯罪と言うべきだろう。

メディアは、その主張は兎も角として事実に立脚していることが大前提なのだ。

戦争の罪過を問う余り慰安婦のデマに乗っちゃつたでは済まされない。

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それは戦時の話だから、常識外の事が幾つもあったのだろうが、

日本人の常識は世界の中では平均の水準以下では決してないはずだ。

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過去を問い反省することは大切なことだが、デマを真実に置き換えるメディアは否定されるべきだ。

根本的な社風が改まらない限り、朝日の購読を止める決意をしている。

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2014年5月21日 (水)

土地というもの

今日は、ちょっと難しい話。

かつて〔昭和40年頃まで〕、耕作する農地の広さがその農家の貧富を表していた。

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金銭収入の大部分が米の販売代金だったから、当然のことだ。

だから農家は、粟稗を食べても何とかして田を増やそうともがいていた。

それがこの列島に住む大部分の人々の永い歴史だったのだと思う。

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世界中から農産物が輸入されるようになって農地が余り、耕作放棄地が拡大している。

そんな農地を買おうとする人は無いから、農地の価格は暴落したままだ。

しかしこれは、この瑞穂の国の数千年の歴史からすればまったく稀有な事態だ。

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とは言え、人々の土地への執着が無くなった訳ではない。

現実に、隣家との境界争いなどは何処にもある話だ。

やがて人口が減って、土地なんか幾らでも有り余ると思うのだが、事はそう簡単ではない。

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これが国と国との関係になると、一昔前なら簡単に戦争に解決を求めた。

否、過去形ではなくって、尖閣列島や南沙諸島の火花は現実のものだ。

思い起こすなら、あのツインタワービル突入の9.11テロだって、

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とどのつまりはパレスチナの土地問題に行き着く。

パレスチナは、土地を持た無いユダヤ人からすれば「約束の地」だとされている。

ユダヤ人は最初は約束の地に住んでいて、そこを追い出されエジプトに渡った。

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そのエジプトで迫害され、元の地〔パレスチナ〕に帰っただけだと考えている。

そして大戦後、パレスチナ人が住んでいるその地にイスラエルを強引に建国した。

イスラエルに土地を奪われたパレスチナ人の抗争が延々と続いている根源だ。

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そしてアメリカは、そのイスラエルをずっと支援してきている。

9.11テロは、イスラエルへの矛先が支援しているアメリカに向かった結果だった。

土地を追われた人々の怨念が金本位のユダヤを生み出し、そして今も流血が続く。

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正に、土地を巡る業の深さと言えるのではないか。

今私達は、否応なく「金」本位で生きざるを得なくなっている。

だけど国土を荒廃させて、本当の豊かさなんて生まれるものではなかろう。

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2014年5月 8日 (木)

知床・納沙布の先

ロシアはウクライナの政変に乗じて、瞬く間にクリミアを自国に編入してしまった。

この編入に有無を言わせないための戦略か、尚ウクライナ東部の騒動を煽っている。

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事ほど左様に、ロシアにとって暖かな地は垂涎の的なのである。

初めて納沙布に立った翌朝、改めて歯舞・国後の姿を確認しようと納沙布に向かった。

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なにしろ納沙布から歯舞群島までの距離は3.7k~25k程しかない。

さらに野付半島から国後島までは16kしかないんだから、見えて当たり前だ。

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砂州でできた野付半島からは国後の羅臼山がくっきりと見えていた。

納沙布には、北方領土返還を祈念する大きなモニュメント「四島のかけ橋」がある。

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そしてその中心点には、赤々とトーチが燃え続けている。

もちろん多くの人々が署名し、外交交渉も繰り返されてきた。

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しかし現実には、歯舞を除く三島に16,800人余のロシア人が住み、

クリミア方式で帰属を問う住民投票をすれば、100%ロシアということになるだろう。

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そもそも、ロシアは何故この四島まで占領したのだろうか。

当時のスターリンはラジオで国民に向けて以下の演説(9月2日)をしている。

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「1904年の日露戦争でのロシア軍隊の敗北は、重苦しい思い出を残した。

この敗北はわが国に汚点を残した。日本が粉砕され、

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汚点が一掃される日が来ることを信じ、そして待っていた。

40年間、我々はこの日を待っていた。

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今日、日本は敗北を認め無条件降伏文書に署名した。

このことは、南樺太と千島列島がソ連邦に移り、

我がソ連邦を大洋と直接結びつける手段、

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侵略から我が国を防衛する基地として役立つようになることを意味している。」

日本がポツダム宣言を受諾し、敗戦となったのは8月15日である。

一方ソ連は、「日ソ中立条約」を一方的に破棄して8月9日に対日参戦している。

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そしてソ連が千島列島に侵攻したのは、終戦後の8月18日からだった。

彼らはウルップ島まで侵攻し、そこで一旦停止している。

だが北方四島に米軍が進駐していないことを知って、

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8月28日から9月5日にかけて再び侵攻して占領したのだ。

日本は、後のサンフランシスコ平和条約で千島列島と南樺太の権利を放棄した。

だが北方四島は厳然として放棄していないのである。

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国際法にもとずくなら不法占拠は明らかだが、この現実を変えるのは容易ではない。

人の住んでいない南の尖閣、西の竹島を巡る騒動とも合わせ、

領土問題はかくも厄介と言う他はない。納沙布に向かう途中に歯舞と言う村があった。

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歯舞島が占拠されて引き上げてきた人達が作った村だ。

ちなみに当時の四島には1万7千人余の日本人が住んでいたのである。

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2014年1月 8日 (水)

隣人

夜明けが遅くなっていて大変だけど、子供達は今日も元気に学校に行く。

そんな彼らに、「今日も頑張れよ!」とか「今年も元気で行って来い!」などと声を掛ける。

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約100人の子供達からは、人それぞれの反応が返ってくる。

「あと三ヶ月で卒業!!」「僕の勉強やってよ!」「何時も、ありがとう」などである。

時には、喧嘩して泣きながら登校なんてこともあるが、大抵は仲が良い。

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ところで聖書のキリストの言葉に「汝の隣人を愛せよ」とある。

誠に結構な事だけど、敢えて大切な教えにしているのは、それだけ難しいからだろう。

何処の家でも、隣家とは敷地境やら雨水やら煙やら、はたまた落ち葉やら、

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あまりに近すぎるが故にしっくり行かないのが常だ。

人と人の関係だって、他人同士の場合は中々微妙だ。

だから電車に乗ったって、他の乗客とは一定の距離を保って座るだろう。

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そんな間合いは、国と国の関係にも当てはまる。

隣国間には、領土や歴史問題やらと常に多少のトラブルを抱えているのが常だ。

故に紛争が頻発してきたのが近世の歴史だ。

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この点日本人は四方を海に囲まれている為か、この隣人意識が極めて希薄なようだ。

殊に東西対立の構図が消えて以降は、それぞれのナショナリズムが隆盛になった。

中国も韓国もロシアも強い国家意識のもとで統治をしようとしている。

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米国から「隣同士仲良く」などと声がかかるのは、それが米国の国益だからだ。

仲良くしたいのは山々でも、それぞれの国には都合ってものがある。

例えば中国なら、尖閣でも過去の歴史、はたまた靖国でも、

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とっかえ引き換え火種を燃え上がらせるだろう。

それが経済に自信を持った中国の東夷政策なんだろうし、国内統治上好都合だからだ。

隣とやたら仲良く出来ると考える日本人の方が、能天気でお人好しなんだと思う。

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靖国参拝問題はその象徴的な事象だろうし、事ほど左様に隣人関係は厄介だ。

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2014年1月 7日 (火)

マスコミの心底

「この国は短命内閣が続く故に肝心なことが出来ない。」と言われ続けてきた。

私はその理由の一つに、この国のマスコミの有り様が関わっていると思っている。

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今夜は、昨年末に「マスコミの心底が見えた。」と書いた理由を述べたい。

マスコミと言うのは、ニュースを製造して売るのが商売である。

商売である以上、消費者〔読者〕の関心を呼び起こすおもしろい記事が望まれる。Dscf9907

野次馬は、「火事とけんかは大きいほど面白い」と言われるように、

何故か他人の不幸を喜ぶようなところがある。

私達は気の毒な人の話を聞くと同情したりするけれど、

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何故か反面で、そんな目にあっていない自分に安堵する心がある。

だからマスコミは、事件やら他人の不幸、スキャンダルなどを集めてきて毎日報道する。

いよいよ事件が無いと、動物園のパンダや白熊の写真でお茶を濁す。

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だけどそんな記事ばっかりじゃ、ニュース販売業は続けてはいけない。

それで、いよいよニュースが無くなれば、タレントのプライバシーを暴いたり、

時には火の無いところに煙を立てて、大変だと騒ぎたてる。

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週刊誌化する訳だが、これもマスコミの性癖だと思っておく必要がある。

マスコミが正義の味方ぶりを発揮できると思っているのが、政治や官僚批判だ。

こいつをやっていれば、反対勢力があるから必ず一定の支持を得られる。Dscf9860

4年程前には有ること無いことを針小棒大に報道して、

それでよもやの政権交代を実現してしまった。

正に大きなニュースを作り上げたマスコミの面目躍如だったろうか。Dscf9858

マスコミに踊らされた結果は、3年余の混迷を余儀なくされた訳だが、

ニュースの種には事欠かなったマスコミにとっては大成功だった。

ところで、あれ程騒ぎ立てた特定(国家)秘密保護法反対の報道も、Dscf9848

喉元過ぎればすっかりと書くことが無くなったようだ。

あれはどうも煙を立て過ぎたと反省しているのかも知れないが、

「この国の安全をどう担保するか」と言う記事は遂にお目にかからなかった。Dscf9574

今やネットの普及で、私達にもマスコミと対等の情報を出せる時代になっている。

マスコミの良識を問うのも、国民の役割だと思うのだが…・。

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