2008年7月16日 (水)

米食

このところ、十数年ぶりにお米の消費が増えているらしい。Cimg5442

スーパーでは、対前年で一割増位の販売量だと言うからすごい。

はたとて、小麦価格高騰の影響だろうか。

それとも食料自給への関心の高まりだろうか。Cimg5953

はたまた、生活防衛のために「弁当派」が増えたのかも知れない。

茶碗一杯で30円のご飯は、一枚のパンの値段と同じだ。

腹持ちだって良いし、それに日本の風土にあっている。Cimg5962

それに、米の味だって格段に進化している。

それでも日本人は、地球の裏側で穫れた小麦を食べている。

米の生産量900万トンに匹敵する800万トンもの麦を輸入しているのだ。

パンを食べたいのなら、米粉で作ればよいのだ。Cimg5881

それには輸入麦に高率の関税を掛ければよいのだ。

さすれば日本の食料自給率は、10%はあがるはずだ。

この際「ご飯を食べて休耕田を無くす運動」を展開すべきだと思っている。

蛇足だが、毒ギョウザ事件以来激減していた中国山野菜の輸入が、

またぞろじりじりと増加し始めている。

喉もと過ぎれば暑さを忘れるのは、日本人の性なのだろうか。

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2008年7月14日 (月)

日本の農法

キャベツならいざ知らず、稲の苗を育てて一本一本定植するなど、奇想天外と言うべきではないか。

そんな農法が弥生以来、ずっと続いている。Cimg5992

そもそも瑞穂の国の稲作は、限られた土地で多くを養うための農法だった。

田んぼを慈しむように耕して、苗を一本一本移植する。

収穫を最大にするためには、投下労力の多寡は問題ではなかった。

ところがその米が生産過剰になって、もう30年以上が経過する。

そしてこの国の水田の三分の一もが、休耕やら転作やら飼料化などを強いられている。

それなのに、肝心の農法は昔のままである。Cimg5993

小麦や大豆、トウモロコシでは考えられないことが、当たり前になっている。

それは実は経営規模が、田植が許容できる範囲だったことと関係している。

40ha~50ha程度なら移植栽培が可能なのだ。

だが生産コストを思い切って切り下げるなら、規模を数倍にして

この農法を抜本的に変えなくっちゃならない。Cimg5900

直播は、その重要な手段だ。

私の家の近くの水田で、その実証が行われている。

2月に代掻きをして田を乾燥させ、

繁茂した雑草を一斉処理してから、機械で筋蒔きする。

最初は、どうなることかと見ていたのだが、思いの他順調である。

ひょっとしたら、既存農法に匹敵する収穫が期待できるのではないか。

先駆的な農業者の努力に敬意を表したい。

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2008年3月13日 (木)

規模10倍プロジェクト

土地利用型農業の規模を、10倍にしようと言うのだ。Cimg5074

水田なら100ha、茶やミカン・野菜でも20haが目標だ。

世の中や人には普通、常識と言うものがある。

つまり、ひらったく考えると「そんなの無理だろう!」と言うことになる。Cimg5076

その一方「その位言わなきゃ、農業は駄目だよ」との声も聞こえる。

つまり一般農業の世界は、そのひらったい常識の中に安住していると言うことだ。

そして、既にその常識が過去のものであることを知らない。Cimg5078

過去の経験や常識に照らして「それは無理だろう」と思った瞬間に、何事も進まなくなるのだ。

過去の常識を疑うべしなのだ。

今日のプロジェクト発表では、若い人達が自信を持って将来を語った。Cimg5080

恐らく、このプロジェクトの経験は、彼らにとってもかけがえの無いものになるだろう。

私達も、身近な常識を疑って見てみませんか?

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2008年2月28日 (木)

農業青年の主張

静岡で、農業青年の主張発表大会があった。Cimg5031

6名のそれぞれの主張を聞かせていただいたのだ。

時に納得し、時には胸に迫るものがあった。

農業への参入は、それぞれみんな条件が違うし、

置かれた環境だって一様である訳はない。Cimg5035

中山間地だったり傾斜地だったり、経営拡大の難しい所だったりする。

だから、青年達のドラマも思いも様々なものになる。

そんな皆さんの発表を伺いながら、

『人間と言うものは、自分と言うものが、どんな所にいるのか、

分からずに生きてしまっているのが常だ。Cimg5041

どこかで、それを振り返って認識し直してみることは、

実はとても大切なことなのだ。』などと納得させられていた。

そういう意味で、全員がそれぞれ素晴らしい発表であった。

今日は、審査員の一人に加えて頂いたことを感謝しなくちゃならないナ。

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2008年2月23日 (土)

農業法人

Cimg4939 かつて農業と言えば、その家の家業であった。

家族ぐるみで限られた田畑を耕し、限りなく自給的な生活をする。

それが、農家のつましい暮らしだった。

それが著しい商品経済の波の中で、あらかた崩壊しつつある。Cimg4937

その一方で、農業生産を業として起業する法人が登場している。

10年前、静岡県でその50社程が集まって、協会を作った。

その協会が、先日10周年を向かえて、お祝いの会が盛大む開かれた。Cimg4950

現在の会員は、108社である。

そうして、アグリマーケティングプロジェクトなど、

これまで見えなかったことを「見えてくる」ように変えようと、Cimg4954

精力的な活動を進めている。

製造業では当たり前のことだが、農業では希であった。

どうすれば労働生産性を高められるのか?

如何にして自らの製品を商品にするのか?

そんな課題に、真正面から取り組んでいる。

私は、この組織の会員は10年後には、1,000社を超えるのではないかと思っている。

次の時代の、農という産業を築くのは彼らだ。

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2008年2月16日 (土)

食彩

小麦の大幅値上げがあったり、中国産毒餃子が出回ったりするけれど、

日本の食は、実に豊かになっている。Cimg4952

確かに、カロリーベースの自給率は39%に過ぎない。

だが、生鮮野菜や果物、魚、畜産物、

何れも海外では見ることも出来ないような品が、ふんだんに供給されている。Cimg4951

先日農業法人協会の集いで、皆さんの作った彩を頂きながら、

私達は何と贅沢なのかと思ってた。

彩と言い味と言い、みんな絶品なのだ。

本当に、豊かな食材がある。Cimg4945

それにも拘らず、何故自給率39%になるのだろう。

それは日本人の利益第一主義と、食に対する貧弱な意識だろうか。

食品関連産業は、原材料の安さを求めて際限がない。

多少のことは、誤魔化すことも出来る。Cimg4949

日本の消費者も、これまでいとも簡単に誤魔化されてきた。

中国産毒餃子もその一つに過ぎない。

地産地消などと言わなくても、食材の素晴らしさを愛でてみようではないか。

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2008年2月15日 (金)

みかん産地は今

今日、柑橘生産者大会が開かれた。

昨年と打って変わって、深刻な大会だったかもしれない。Cimg4957

博打じゃあるまいし、表年と裏年に振り回されている。

みかん生産者にすれば、やってられない思いになる。

今年のみかんは、味も実に良い。

でも、価格は昨年の半値以下だ。Cimg4958

原因は簡単で、需要を上回る供給が起こるからだ。

廃棄なり何なり、こいつを解決しないことには浮かぶ瀬が無い。

つい最近、東北大学の大泉研究グループが、

みかんの皮から、ノビレチンなる物質を発見した。Cimg4956

しかもこの物質が、アルツハイマーに治癒効果を持つというのだ。

γトリクトピサンチンのがん抑制効果とあいまって、

みかんを食べなきゃ損だぞと言うシグナルである。

しかも、ある品種には、このノビルチンが見の中に含まれているんだと。

そういう意味では、柑橘産業はまだまだ未開発の可能性を残しているのだと思う。

価格が安ければ、どうするのか。

泣いている場合ではない。

生産方式を変え、売り方を変え、商品のバラエティーを工夫し、

自分達の力で、この難局を乗り越えなくっちゃならないのだ。

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2008年2月10日 (日)

ゆめ市

日本の農業は今、かつて想像出来なかったほど変わり始めている。

農業で業を起そうとしている18人が設立した「ゆめ市」もその一つだ。Cimg4933

自分達の作ったものを、本当に納得して買ってほしい。

そう言う人に「我々の生産物を直接届けます」というコンセプトだ。

農産物流通の現場は、量販を肇とした川下が大きくなり、Cimg4931

生産を担う川上が変化を求められていた。

農業の生産現場が変わらないから、中国などに量を求めてきたのがこれまでだ。

そんな時代を変えようと、生産者が結束して出来たのが「ゆめ市」なのだ。Cimg4932

だが、営業力や組織のパワーを発揮するのはこれからだ。

息長く、彼らの試みを見守りたい。

量販店の皆さん、ゆめ市には消費者を納得させる商品が準備されていますよ !

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2008年2月 4日 (月)

ニューファーマー

どんな産業があろうと、行き着くところは

この国が本当に食えていけるのかどうかだろう。Cimg4912

ところがこの国は、経済にかまけて、食をおざなりにしてきた。

挙句の果てが、冷凍餃子騒ぎである。

農薬入りだって、手に入る内は未だ良い。Cimg4907

エネルギーベースで自給率39%なんて国は、世界に例が無いのだ。

かつてエコノミックアニマルと言われた蔑称も、そんなところに深因がある。

今日、新たに農業にチャレンジ゛している皆さんとの懇談があった。

その就農のきっかけは様々だ。Cimg4908

だが、感覚的に食を生み出す産業への潜在的な可能性を見詰めている。

本人は、未だその正体を掴みきっていないかも知れないが、

何人かに、未来のその姿を想像していた。

若い彼らには、遥かなる可能性がある。Cimg4911

かつての古い農業の旧弊と、間違った常識を突き抜ければ、

新しい国民のための食料産業の姿が見えてくる。

人は、どんな産業に就こうと、それは良い。

でも、一生それをやって、「私の人生、これで良かった!」と思いたい。

それを自分の力で実現できるのが、農業だろうと思う。

どっちみち、人生は一度しかないのだ。

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2008年1月30日 (水)

園芸の懐

人間も植物も、同じ生き物だ。Cimg4638

植物だって、動物と同じ生命力を持っている。

そして人は、その植物から命をもらうだけでなく、

元気や期待感、達成感までも得ることが出来るのだ。

植物が芽を出し枝を伸ばし、花を実を成らせることで、Cimg3134

私達に時間の流れや季節感を実感させてくれている。

私の場合には、葡萄の芽吹きや稔が、

単調な毎日の中で、精神面での鮮やかな彩になっている。

ところで、園芸福祉・園芸療法という言葉がある。Cimg3208

そうして、農業や福祉の現場に、園芸が一定の役割を果たすようになっている。

農場も、心身障害者の働き場として可能性が見えてきた。

農業生産の場には、管理や収穫・調整など様々な仕事がある。

その一部を障害者の仕事にできないか。

障害者にとっては、自分の存在価値を実現する場にもなる。

又もっと大きな成果は、農場の人間関係が激変することだ。

職場内の助け合いやいたわりが育まれ、無駄な相克が無くなるのだそうだ。

農作業そのものは単調だけれど、別の喜びが生まれるようだ。

まだまだ色々とあるけれど、

農業には、多様な人々を受け止められる懐の深さがあるのだ。

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2008年1月28日 (月)

施設園芸の危機

施設園芸は、私達の暮らしを随分と豊かにしてくれた。

だつて、トマトやピーマン、茄子が一年中食べられたり、Cimg4873

バラやガーベラの花が何時でも手に入る。

駿府に隠居した家康が、初春に茄子を食べた。

その茄子が一個一両もしたと言う。

一鷹二富士三茄子の由来である。Cimg4865

その茄子は、駿河湾の暖流と油紙で覆われたハウスで作られた。

だが今日のハウス園芸は、重油の暖房で成り立っている。

その重油価格の高騰で、施設園芸は軒並み苦境にあえいでいる。

ちなみに03年の上油は30円/㍑だったが、Cimg4863

今では85円/㍑だ。

この燃料コストは、メロン栽培では40%を上回るに至っている。

とても、やってられない状況にある。

だから生産者は、冬場の生産を見合わせたり、

メロンをやめてレタス、キクを止めてユリになど、

エネルギー消費の少ない作物に転換している。

暖房手段を電気とか木質燃料に転換する人など、

生き残りをかけた努力が続いている。

この危機が突破できないと、園芸の歴史も、私達の食卓も危うくなりそうだ。

投機資金が元凶とは言うものの、一体誰が原油を高騰させているのだ!!!

今私達にできることは、脱石油の技術開発でしかない。

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2007年12月17日 (月)

おむすび交流会

「おむすび交流会」なるものが開かれた。

おむすびを食べながら、語ろうと言うのだ。_mg_1308

実は静岡県では、四年前から「お米日本一コンテスト」を開催している。

それで、その表彰式をかねての交流会である。

今年のコンクールには、全国38道府県から315点の米が集まった。Img_7163

その最優秀になった米をおむすびにして、みんなで食べようと言う趣向なのだ。

岡部の「ゆとり庵」の握ったお結びが、1,200個。

そのおむすびを、米農家や流通関係者が評価しながら戴く貴重な機会だ。

さすがに、味も香りも最高で、プロの職人が作ったお結びである。Img_7168

コンビニのお結びと違って、それぞれ気品にあふれた旨みだ。

ただ残念なことは、県内産の今年の成績だ。

上位30位に食い込んだのは、3点に過ぎなかった。

消費統計によると、静岡の一人当たりの米消費金額は全国一だ。Img_7171

静岡の人間は、舌が肥えていて米にこだわる?

或いは、ブランド米を沢山買うということだろうか。

静岡県では、県内で消費される米の四割しか生産していない。

圧倒的に、米の消費県である。

だから米生産県は、米の売り先として、静岡を注目するのだ。

静岡でのコンクールが、盛況な由縁である。

それはともかく、

最近の米の価格暴落以来の議論は、かつての食糧管理法時代に

先祖帰りしたかのような感じがある。

そんな次元では、米農業の将来は見えてこないと思うのだが・・・・

稲作農家は、もっともっと消費者に近づかなくちゃいけないのだ。

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2007年12月 4日 (火)

農業と工業

先日、農工連携による新しい産業創造をテーマにシンポが開かれた。2003

多くの学者や産業人が集まったのだが、

そこで私は、一人のスピーカーとして結構辛らつなことをしゃべった。

そもそも日本の戦後の農業は、小さな面積に制約されることから始まった。

だから技術も制度も、規模が小さいことを前提に作られてきた。21

一坪の畑から如何に多くの収穫を得るか。

労力よりも、量を確保するほうが重要だったのだ。

品種も肥料も農薬も、栽培方法も、それが価値基準になってきた。

だから日本では、世界一コストの高い農業が出来上がったのだと。Pb270005

これからは、土地生産性よりも、労働生産性により重心を移すべきだ。

世界に冠たるメカトロニクス技術を持ってすれば、

それは、そんなに難しいことではない。

問題はメカのコストだけだと。Pb270004

中国と同じような人海戦術のような農業は卒業しよう。

そうして、日本の実情にあった先進国なりの生産形態を発明しなくちゃ駄目だ。

そのことが、日本の産業の将来を支えるのだ。

いささか、抽象的な言い方だったかもしれないが、そんなことを話した。

お聞きになった皆さんの反応は、??反発の方が多かったかも知れない。

しかし、こいつは真剣に考えないといけないことだ。

情緒で、産業は育つものではないのだ。

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2007年11月30日 (金)

劣等意識と農業

Cimg3832 日本で最初に農学博士になったのが、新渡戸稲造だ。

あの五千円札の肖像になった、国際派だ。

彼がその著書で「農は万年を寿ぐ亀の如く、

商工は千歳を祝う鶴に類す

あい翔って国の隆盛を見るべし」と書いている。Cimg3699

要するに、農業は商工とは単位が違うのだから、

農業は農業で自信を持ってやりなさい、と言うことだと思う。

ところが私達は、これまで農業と言うものを

どうもどこか劣等意識を持って感じてきたところがある。Cimg3837

その原因の多くは、あの国際分業論だと思う。

「先進国は工業製品を売って、発展途上国の安い農産物を買えばよい」と言うやつだ。

つまり、農業は、発展途上国のものだと言うことだ。

それを真に受けて、多くの有能な人材が他の産業に就いていった。Cimg0069

しかし、今世界を見渡してみても、この日本を除き

先進国こそが農業国なのだ。

アメリカ、カナダ、フランス、オーストラリア、オランダ、

ドイツやイギリスだって大変な農業生産国だ。Cimg0067

それに、農産物を輸出するとされていた発展途上国は、

軒並に工業生産を爆発的に発展させているのだ。

はてさて、日本の選択は、正しくなかったことが証明されようとしている。

日本民族の将来を決めるのは、実は農業ではなかったのか。

先進国型の日本の国なりの農業と言う産業を育てることが

いま私達に求められているのだ。

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2007年10月27日 (土)

みかんと骨密度

中国の温州は、温州みかんのふるさとだ。

日本で「みかん」とは、この温州ミカンのことだ。Cimg4272

この他の柑橘はすべからく、夏みかんとかネーブル、八朔、

グレープフルーツ、レモンなどと呼ぶ。

この温州ミカンは、毎年110万トンほど生産されていて、

このうち静岡県では、14万トン前後を生産している。

近年の生産額は、全国一(二位は和歌山県)である。

じつはミカンには、裏年と表年がある。

隔年結果と言って、沢山稔った翌年は不作なのだ。Cimg4157

それで生産者は、なり過ぎた果実を小さいうちに摘み取って、平均的な生産に努めている。

だが、これがなかなか上手くいかないのだ。

それで昨年は、記録的な高値になってしまった。

だから、今年は表年である。

今年は夏の天候に恵まれたから、豊作の上に味が良い。

みかんの当たり年という訳だ。

このミカンに含まれる成分に、ベータ・クリプトキサンチンがある。

この成分が、骨の密度低下を予防する働きがあるという。

特に女性に顕著で、ミカンを沢山食べる三ケ日では、

血中のベータ・クリプトキサンチンの濃度が高いほど、骨密度が高かったという。

ミカンを食べて、骨が丈夫になるなら・・・食べるしかないよね。

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2007年10月22日 (月)

米価

お米の価格が下がり続けている。Cimg4205

92年以来、15年近くコンスタントに下がっている。

近年の、麦やトウモロコシの価格高騰とは反比例している。

その理由は、消費量の減退と、需要以上の生産だ。

評判の悪かった生産調整が、手上げ方式に変わった事も大きな要素だ。

消費者にとっては、日常食べるものだから、安いにこしたことはない。Cimg4191

米は、茶碗一杯で30円前後に相当する。

この30円が、はたして高いと言うことになるのだろうか?

古代から米で生きてきた瑞穂の国の民族が、米をコケにしていると言えるかも知れない。

だが、米生産者にとっては、特に大規模な生産者にとっては、死活問題なのである。

もちろん、必死で生産性を高める努力が続いている。Cimg4115

一方で、トラクターの燃料も肥料もすべからく値上がりだ。

農業は、既に装置産業だ。

生産者はコンバインや乾燥施設などに、多くの投資をしている。

その施設の減価償却もままならない。

食料は、どこからか沸いてくるものではない。

農業を軽んじていると、何時かその代償を払うことになるのだが・・・・

かつて「政治米価」と言う言葉があった。

米価低迷に対して、またぞろ政治が動き出している。

私は、政治ではなく、消費者の出番ではないかと思う。

消費者が、ご飯をもう少し食べるだけで、たちまちにして米価は回復するのだ。

米の問題は、私達一人ひとりの問題なのだ。

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2007年10月18日 (木)

全国土の会

新興宗教の会でもなんでもない。Cimg4276

「土力」をする(蓄える)ことで、土を活かし品質と生産性を上げようと言う、

科学的で真面目な研究集団なのだ。

定期的に土壌分析をして、処方箋に従った改良を進める。Cimg4278

キーマンは、東京農業大学の後藤逸男教授である。

後藤先生達は、大学の研究・教育と農業の生産現場を直結させた。

活きた、実践技術の突破口を開いたのだ。 Cimg4270

後藤先生たちによって甦生した産地は数多い。

これまでの行政(普及所やJA営農センター)の画一性を、

個別対応で生産者のニーズに応えたのだ。Cimg4256

生産者は、一気に「土の会」のファンになった。

全国各地に支部を持ち、現在の会員は数千名に登る。

そして毎年、全国大会を各地で開いている。Cimg4252

今年は、園芸先進の地浜松で、第19回の全国大会が開かれた。

500名余の会員が集まって、活動報告や現地研修が行われた。

私は、この会に来賓として参加したのだが、会の皆さんのまったく基礎的で素朴な熱心さに、

謙虚に脱帽する他なかった。

これまでの指導機関は、一体何をやってきたのか。

ひょっとして、御仕着せの教条主義で技術支援をしてきたのだとしたら、

謙虚に反省すべきだと考えたのだ。

硝酸態窒素など、これまでの常識の誤りについて、

もっと、研究者は謙虚でなくてはならないと思う。

私は挨拶で、これまでの常識を疑ってみる事の必要性を

改めて訴えたのだ。

はたしてどれ程の方に、真意が伝わったかは別として、

今日はもう休もう1  

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2007年9月12日 (水)

新米を競う

水田では、稲作の収穫が最盛期になりつつある。

ほんの20年ほど前なら、この時期の稲刈りは極めて珍しかった。Cimg3954

それほどに、稲作の環境が激変したのだ。

台風シーズンを避けて、前進栽培が一般化したこと。

それに、新米を早く出して、有利に販売したいと言う思惑。

何にも増して、米の生産・流通を縛っていた食管法が廃止されたことだ。Cimg3953

そうして、米の販売は激烈な競争にさらされることになった。

輸入されるミニマムアクセス米も、その競争相手だ。

そんな訳で、米の生産者の皆さんも、販売対策に特に力を入れるようになっている。

今日、そんにこだわり米の生産者の皆さんが、PRにお見えになった。Cimg3959

頂いたお結びが、どういう訳か実に美味しい。

もちろんお米の質が良いのだが、炊きかたやうっすらとした塩加減もコツなのだろう。

静岡県はお米の消費県で、県内では消費量の1/3しか生産されない。

だから余計に他県の産地の売り込みも激しいのだ。Cimg3956

伺うと、生産者の皆さんそれそれに、美味しい米作りのために、いろいろな工夫をされている。

まあせめて、お米くらいは地元で取れたものを食べたいものである。

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2007年9月 8日 (土)

イモッコ

静岡県掛川市の「おいもや」の店長、関谷夕佳(29)さんの愛称だ。

おいもやは、その名の通り、干しいも関連のスイーツを製造販売している。Cimg3928

薩摩芋を生産する畑は、協力農家を含めると12ha余。

かつての遊休農地を借りての生産だ。

夕佳さんは、その販売部門を担当している。

楽天市場を舞台に、消費者のニーズをつかむ情報を発信し続けている。Cimg3929

そうして、今年の販売額は、なんと数億円になるだろうと言う。

干しいもも、安い中国産が輸入されたりしているが、

彼女のところは、何と言っても生産・加工・販売、全てが顔の見えるものだ。

それに、一度食べると、これが後引きで、特に女性にはたまらない。Cimg3930

私達団塊の世代にとっては、芋は子供の頃一生分食べたような気がするのだが、

今日では、何にも勝る自然健康食材だ。

それを若年層は、今日ではインターネットで購入するのだ。

それに何よりなのは、夕佳店長が、これが又、美人なのだ。

新たな消費開発が、古くからの芋生産に新しい息吹を吹き込みつつある。

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2007年9月 5日 (水)

アグリビジネススクール

およそ経営と言うものは、経営者の才質によって大きく左右される。Cimg3916

それは、経営の大小を問わないだろう。

もちろん、農業経営だって同じだ。

これまでの農業は、色々な規制の中で、Cimg3918

役所や農協が、手取り足取りとサポートするのが当たり前になっていた。

結果として、他力依存の経営ばかりになってしまったのかも知れない。

およそ経営力と言うものが発揮されない経営など、伸長発展するはずも無い。Cimg3917

つまり経営者さえ育てば、後は出来るだけ自由な経営環境があれば良いのだ。

農業の世界には、食糧管理法のような、様々な制約があった。

土地だって、経営を制約する大きな要因だった。Cimg3921

そうしたかつての制限要素が、何時の間にか経営を制約する見えない壁になってしまった。

その壁を消し去って、自由な経営者を育てる。

それが、アグリビジネススクールだ。

この国で最高の14名の講師陣の教育を受けた経営者達。

今日、その21名の修了式があった。

研修に取り組んだ皆さんの感想を伺って、私自身少々感激してしまった。

人というものは、人によって様々な可能性を切り開くものだと!

要するに、業は人なのだ。

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2007年8月21日 (火)

常識の壁

人間と言うものは、その経験によって出来上がる。Cimg3863

狼に育てられれば、狼として生きてしまう。

農業を考える時、日本の農業の歴史を考えざるを得ない。

長く、小規模で閉塞的な時代が続いた。

農地開放の後は、農地が生産財でなく、後生大事な財産となった。Cimg3728

流通だって、そうだ。

農産物の値段は、市場でしか決められないかのようになった。

食糧監理法の時代には、米や麦を自由に売ることすらできなかった。

長い間のそうした呪縛が、未だに農業という産業を縛っている。Cimg3724

その呪縛を、いともた易く解き放った人がいた。

静岡市葵区下の鈴木農園(鈴木寿美子・文夫氏)だ。

十年前までは、情報関係の別の仕事をしていた。

それが一転、農業に参入する。Cimg3722

始めは、10aのレタスの試作であった。

その翌年、約3haを期間借地してレタスの生産販売を始める。

そして今日、6ha×2の水田でレタスと枝豆を生産する。

もちろん販売は、契約供給である。

息子達4名を中心に、パートさん達と共に期待される経営になっている。

土地なんて、集まらないさ!

売り先なんて、思うままになるものか。

農業は、気象に左右されてどうにもならないんだ。

などと言うかつての常識は、彼らにはかけらも無い。

農業というものが、根拠の無い常識の壁に阻まれていたことを、鈴木さんたちが証明している。

施設園芸でなくては駄目だ・・・。これもウソだ。

農業に、合理的な考えの水を流し込まなきゃいけない・・・。と思った。

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2007年8月17日 (金)

早くも新米

酷暑の盛りなのだが、秋の便りだ。Cimg3824

昨日、新米「なつしずか」の試食会があった。

静岡県の農業技術研究所の育種で、

平成13年から栽培されている。

早熟で美味しい。Cimg3822

だが、この月末にはコシヒカリの収穫が始まる。

従って、ほんの一時の出番(リリーフ)しかない品種だ。

たから生産量も限られたもので、100t程度しかない。

ある意味可愛そうな、希少で貴重な早生品種と言える。Cimg3821

それにしても、この時期にふくよかな新米が食べられるのはありがたい。

私も、塩結びを頂いたのだが、これが香りよく実に上品な味でした。

一緒に試食した花森副知事も、絶賛することしきりでした。

取材陣の女子アナも加わって、おしなべて好評でした。Cimg3823

たかが新米、されど新米なのです。

この16日から一週間ほどの販売だそうです。

いち早く新米を食する。

これも、ちょっとした贅沢かな!

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2007年8月 3日 (金)

経営者の気迫

大企業であれ自治体でありれ、トップの姿勢はその経営を大きく変えていく。

農業だってそうだ。Cimg3712

かつては、農協の言うものを言うとおり作って、出荷すれば良かった。

しかし今、そんな自堕落な経営が存続するはずも無い。

農業は、農企業家によって担われる時代なのだ。

企業家とは、経営のマネージメントが出来るか否かで価値が定まる。Cimg3714

経営をつぶすも成長させるも、才覚如何なのだ。

今日も、幾つかの経営を訪ねたのだが、その才覚を改めて納得してしまう。

その一人が、山喜製茶組合の青野明之代表理事だ。

青野さんは、約10haの茶園を如何に効率的なものにするかを追求してきた。Cimg3721

81名もの人から農地を借りて、自力で造成して素晴らしいビジネスモデルを作っている。

そして売り上げは、2億円余になっている。

森町の鈴木晃さんは、10数haの水田を駆使して、1億円近い販売をしている。

米15ka、レタス8ha、スイートコーン9haを約20人の従業員と共に展開している。Cimg3718

農業も、そんな経営者が次々と登場する時代になった。

時代は、確実に変わり始めている。

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2007年7月31日 (火)

新しい時代の農業

日本の農業は、FTA交渉のとりあえず障害だとされている。Cimg3670

生産性の低い農業を温存したまま、グローバル化出来ないというのだ。

だが、農業はすごい勢いで、変わり始めている。

もちろん全体としてみれば、昔ながらの農家があって、家業として年寄りが頑張っている。Cimg3677

その頑張りの部分とは別に、ビジネスとしての農業が着実に育っているのも事実だ。

先日訪れた、浜松でサラダ菜を生産している(有)佐野もそうだ。

養豚とレストランを経営している(有)三和畜産もそうだ。Cimg3679

三和畜産の鈴木社長の経営理念は、「みんなのしあわせ創り」だ。

そんな理念の下で、年間2.6億円を売り上げている。

鈴木さんは常に、こんなことも出来ないか、あんなことも出来ないかと考え続けている。

(株)浜松花きの鈴木隆博社長も、まだ45歳の若きエースだ。Cimg3685

そんに農業の経営が、ニョキニョキ育っている。

彼らの生産拠点を訪れると、製造業の工場と少しも変わらない雰囲気がある。

全てが機能的に動いていて、彼らの語る言葉に少しの揺らぎも無い。

農業だって、捨てたものではないのだ。

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2007年7月28日 (土)

時代の求めるもの

マタギとは、狩猟して旅する職業である。Cimg3672

彼らの業が成り立っていた内は、鳥獣害と言う言葉すらなかった。

毛皮や肉、そして熊の胆などが、珍重された時代が長く続いたのだ。

日清・日露戦争なぞは、狩猟による毛皮のお陰で戦えたのだ。

戦後の繊維産業や養豚で、狩猟は業として成り立たなくなった。

結果として、森の動物達が跳梁する時代が来ているのだが・・・。Cimg3671

畑でも、同じことが言える。

浜松の三方原は、白菜や馬鈴薯の産地であった。

それが、戦後の進駐軍の需要に応える形で、洋菜の栽培が盛んになった。

セルリーが、その代表的なものだ。

その後の高度経済成長で、そのセルリーが洋食とともに珍重される時代が続いた。Cimg3667

セルリー生産は、冬から春は静岡、夏は長野でもっぱら生産されてきた。

しかし、バブル崩壊以降、消費は減退するし、価格も低落する。

もとよりセルリー生産は、半年掛りである。

回転率は極めて悪く、どうしても単価が高くなる。Cimg3665

それが、デフレ経済の中で敬遠されたのだ。

そんな時代の動向をいち早く察して、経営転換したのが、

(有)佐野の佐野誠社長だ。

銀行員からセルリー生産者に、そして今はサラダ菜の生産を業としている。Cimg3675

セルリーなら年一作だけれども、水耕サラダ菜なら10作は可能だ。

と言う訳で、200a余のハウスを駆使して、一日1000ケースの出荷を続けている。

従業員は、パートを含めて23名。

年間の売り上げは、1億2千万円ほどである。

水耕の施設も、自ら考案するし、立派な出荷場だって、佐野さん自身の施工だ。

時代の流れを透徹してみつめ、自分の経営展開をフレキシブルに変えていく。

これは、製造業も農業も同じことなのだ。

時代の求めるものを、時代の求める価格で供給してこその企業なのだ。

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2007年7月10日 (火)

純血にこだわって!

鶏の話だ。Cimg3606 

日本の古来からの鶏(地鶏)は多種多様で、それぞれの地域に様々な鶏がいた。

それが昭和37年、畜産の自由化と共に様相が一変した。

外来の白色レグホン一色に、塗り替えられてしまったのだ。 Cimg3615

大量効率生産が時代のトレンドで、国産の地鶏はほとんど駆逐されてしまう。

そんな45年間、それでもと国産の純潔にこだわり続けてきた人がいる。

島田市に住む星野雅史さんだ。Cimg3608

星野さんは、生涯を賭けて黒色のシャモを育て続けてきた。

黒は、メラニン色素である。

星野さんの育てたこの黒い鶏は、生命力が強く鶏特有の臭みが少しも無い。Cimg3613

銘柄を「一黒シャモ」と言う。

そして全国の幾つかの所で、その土地ならではの産物として育てられている。

もちろん静岡県でも、5ヶ所ほどで特産化されている。Cimg3618

藤枝市の「蕎麦酒 かわかつ」さんのように、このシャモの肉やだしを売りにしているお店もある。

星野さんの努力は、40年もしてやっと認められつつあると言うことだろうか。

タマゴと言えば白色レグホン、鶏肉はブロイラーが当たり前だった。Cimg3620

それがヤツと、その地に育ったシャモとして認められるようになったのだ。

「国粋主義を貫いてよかった」星野さんの述回である。

星野さんの所では、生命力の強い青色や褐色の卵など、

鳥の世界はこんなにも幅があったのかと、驚かされた。

ちなみにシャモとは地鶏のことで、在来種の血液が50%以上で、

かつ平飼いで80日以上飼育した鶏を言うのだそうだ。

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2007年7月 5日 (木)

種苗戦争

植物特許制度が、かなりの国々に普及して、育種の権利が保護されるようになった。

もちろん近隣には、そんなことにお構いなしの国もある。Cimg3533

ともあれ、日本ではその品種を栽培して販売する場合、

特許権者にロイヤリティーを払わなくてはならない。

育種というものは、かつては公立の試験場か、徳農家の専売特許だった。

しかし今は、公立試験場でさえ民間の育種戦争には、太刀打ちできなくなりつつある。Cimg3532

種子植物はもとより、イチゴや菊などの栄養繁殖の植物すら、

民間種苗業者の世界になりつつある。

浜名湖のガーデンパークの一角に、キリンアグリバイオKKが立地した。Cimg3525

ここではオランダやスペイン、フランス、中国で育種した品種の国内適応性を試す。

特に、ガーベラやキク、バラ、カーネーションを扱うのだそうだ。

既にこの会社は、ペチュニアでは世界中の80%ものシェアーを持っている。Cimg3526

もちろんその名の通り、キリン・ホールディングスの子会社だ。

もともとビール会社は、ホップとかビール麦の育種部門を持っていた。

その部門を独立させて、世界の種苗戦争に参戦しているのだ。

育種だからといって、なにも公共機関がやらなきゃならない時代は既に昔のことだ。

或いは、公共がやるんなら、民間に勝てるってことが条件だね。

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2007年6月17日 (日)

ポジティブリスト

この制度が始まって、もう一年になる。

使える農薬は、あらかじめ残留基準が決められる。

その数値以下なら問題ない。Cimg3493

しかし、化学物質の種類は無数にある。

もし基準が定められていない物質は、極めて厳しい制限がある。

仮にそんな物質が0.01ppm以上見つかると、直ちに違反食品となって回収が義務づけられている。

もちろんその生産者には、罰則も有る。Cimg3488

しかしこの0.01ppmとは、50mプールに目薬一滴の量だ。

今日の分析機器は、極めて精巧にその数値を感知してしまう。

遠くから、農薬が飛散してきてもこの範囲を超える可能性がある。

それに、防除器具に付着していた農薬がこの範囲では検出されてしまう。

安心安全のためとは言え、真にシビアーな基準を作ったものである。Cimg3489

先日ある女性代議士から電話があって、

「これは制度問題よ。何故あんたの県は、ちゃんとした基準を創らないの!!!」

と叱責された。それで自分の選挙区が困っているとおっしゃる。

それはね。国の問題。代議士先生、あなたの問題なのです。

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2007年6月15日 (金)

農業で生きよう !

新規に農業を始めようなどと言うことは、Cimg3434

ひょっとすると、起業より難しいかもしれない。

土地や資金だけでなく、栽培技術や雇用、販売などと、

もろもろの課題をクリアーしなければならないからだ。Cimg3431

ところがこの数年の間に、15名ものニューファーマーが誕生している所がある。

伊豆長岡温泉のある伊豆の国市だ。

しかも脱落者なし、その全員が見事に成果を上げつつあるのだ。Cimg3439

実は、彼らを自分の子供のように育てている仕掛人がいる。

農業経営士でもある鈴木幸雄さんである。

鈴木さんは、トマト栽培に卓越した技術を持っている。Cimg3440

そもそも、作物を上手く育てるにはコツがあるのだが、

その技術を、受け入れた研修生に確実に伝授しているのが鈴木さんだ。

しこうして数多くの若者が、農業経営者になった。Cimg3438

他の業種彼を経験してきた彼らは、農業にも新しい感覚を持っている。

鈴木さんから伝えられた技術と、自分のノウハウを組み合わせて、

それぞれが、すくすくと経営を発展させている。

そんな彼らの思いは、Cimg3436

「農業は、自分で方針を決められる。全て、自己責任の元で完遂できる。」

「季節を感じて生活できる。汗をかくことで、生きていることを実感。」

「自分の努力した結果が、青果として目に見える。」

「大変だけど、やりがいがある。」と異口同音に話している。

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2007年6月12日 (火)

マンゴー

熱帯アジア原産の、トロピカルフルーツだ。Cimg3459

デパートで見かけて値札を覗くと、一個数万円の価格だったりする。

こんな法外な値段で買う人はあるのかと思うのだが、

世の中には高いものを選んで買う人種がいるらしい。

ひとえに、その希少性とトロピカルな雰囲気に惹かれるのだろう。Cimg3448

それにインドやマライ半島のマンゴーとは違って、日本産は樹上で完熟させているから味も良い。

本来マンゴーの樹は、20mもの高木になる常緑樹だ。

日本ではそのマンゴーを大きくさせないために、ハウスの中で鉢植えで栽培している。

しかも熟して落ちるのを待って、網で支えて収穫する。Cimg3458

温度を25度以上に保つなど、燃費も手間もたっぷり掛かっている。

当然のことながら、高くなるはずではある。

マンゴーの仲間にもいろいろとあって、

果実の大小はもちろん、色も濃黄やら紅、緑色と様々だ。Cimg3457

実はマンゴーはウルシ科の植物で、その樹液はアラビアゴムの代用にもなる。

めったに口に入らないが、魅力的な果物だと思う。

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2007年5月29日 (火)

スプラウト

要するに、カイワレのことだ。

「三つ子の魂百までも・・・」と言ったりするけれど、Cimg3358

スプラウトは、三つ子でありながらそれぞれの個性を持っている。

大根は大根なりの、蕎麦はそばなりの、ブロッコリーはブロッコリーなりの

味や香りと言う個性を持っている。

或いは人間だって、親から子へそうした遺伝子の伝承があるのかもしれない。Cimg3359

しかしてスプラウトには、芽を出して10日ほどしか経過していないのに、親の味をチャンと備えているのだ。

静岡市の(有)田島農園を訪問して、実に楽しい思いをした。

第一に、経営者の田島さんの姿勢が熱いことだ。

このスプラウトの生産を始めて20年。Cimg3361

この間、平成8年のO-157騒動では、大変なダメージをこうむった。

でも田島さんたちは、その苦境を乗り越えて今日を切り開いてきた。

だから衛生面も含めて、確固たる自信を持っている。

スプラウトは、ちょつとお洒落な素材として、確実に消費を伸ばしている。Cimg3360

商品開発という面でも、田島さんたちの努力は見るべきものがある。

消費者のニーズに、どうしたら応えることができるのか、日々試行錯誤して今日に至っている。

スプラウトの機能性については、まだまだ研究が足りない。

これからその機能に、新たな付加価値のつく可能性も高い。

土耕の農業とは別の世界だけれど、これも農業なのだ。

田島農園の可能性は、これから徐々に花開くような気がする。

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2007年4月29日 (日)

(株)浜松花き

鈴木隆博さんの経営する、ハーブ農園である。Cimg3227

生産施設は4,500坪、250品目のハーブを年間160万ポットも出荷している。

おそらくハーブ農園としては、全国有数の規模だろう。

植木からサボテン、そして洋ランの栽培を遍歴し、今日のハーブに行き着いた。

かつてのハープブームは去ったけれど、今は息の長い需要が続いている。Cimg3230

その着実な需要に応えているのが,鈴木さんの農場だ。

この農場では、6名の社員の他 25名のパートさんが働いている。

全国各地からの発注に対して、確実に応えられる農場はそんなに多くは無い。

そのニーズをあらかじめ読んで、品揃えしておく。Cimg3231

そうして、注文に即応できる体制が売りだ。

又その需要の読みが、正に経営手腕なのだ。

若い鈴木さんの、今後に大いに期待したい。

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2007年3月28日 (水)

(有)グリーンフィールド浜松

農業を業にしようと、羽ばたいている人達がいる。

浜松市の三方原の一角で、四年前に産声を上げた。Cimg3048

繊維関係の中堅メーカーで重要な位置にいたお二人が、農業に参入する決意をした。

農地も無く、舞う業とは無縁であった二人が、有限会社を立ち上げゼロから始めた。

そうして、四年近くが経った。

今では、12haの野菜畑でブロッコリーを中心とした生産を軌道に乗せている。

多くの従業員とともに、農場には和やかな空気が漂っていた。Cimg3047

一線をリタイアした年配の皆さんが、生き生きと働いている。

未だ若い彼らが、中高年層を組織しそんな職場を提供したのだ。

そんなコミュニティーと自然との接点が、働く人たちを生き生きとさせている。

販売の方法にも、従来の農家には無い工夫がある。Cimg3049

幾つかのスーパーマーケットへの直接供給が基本だ。

彼らの新鮮な商品へのファンも、次第に広がってきたようだ。

農業は、必ず産業になる。

代表取締役の鈴木雅清さんと話していると、そんな確信のようなものが伝わってきた。

けだし、こういう人達が農業の新しい時代を創っていくのだ。

この農場を訪れて、今日は楽しくなった。

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2007年3月19日 (月)

どんどこ浅羽

農家や地域の皆さんの、出資で生まれたレストランである。

地域の食材にこだわって、お袋の味的な料理を食べさせてくれる。

テカテカとした味付けではなくて、素材の美味しさを生かすことに努めている。

そんな田舎を生かした料理が、じわじわとファンを増やしつつあるようだ。

ファーマーズマーケットも併設されていて、Cimg2990

毎朝多くの農家が、イチゴや野菜類を出荷している。

昨年から野菜の安い期間が続いたが、鮮度と内容で評判が良い。

このどんどこ浅羽では、毎月スピーカーを招いて農家の勉強会を開いている。

実は先日、私にもお話しする機会をいただいて、Cimg2991

「農業の大切さ」について、少しばかり話しをさせていただいた。

稲作がこの列島に伝わって、国家を形成する原動力になってきたこと。

そして、海外から食材を導入するたびに、日本独特の食文化を育て、私たちの暮らしを創って来たこと。

今グローバルな時代の只中にあるけれど、将来この国の基礎を支えるのは農業であること。

・・・・などについて、最近考えていることをお話した。Cimg2989

眠くなる夜の時間帯にも拘らず、実に熱心に聴いていただいた。

今の農業は、こうした地道な勉強家の皆さんによって支えられているのだ。

そう思った!

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2007年3月17日 (土)

技術の保守性

企業の研究部門は、その会社の成否を握っている。

いかなる技術が、生産性を高めるのか。Cimg2942

どんな製品が売れるのか。

企業が好調な時だって、研究部門は注目の的である。

優れた技術、突出した生産性を実現できれば、企業はそれだけで飛躍できるのだ。

だが農業部門の研究者は、そんな訳には行かない。Cimg2943

一部の農企業では研究開発部門を内包するようになったが、多くは公共研究機関が研究を担っている。

その研究機関で開発された技術が、なかなか浸透しないのだ。

おそらく転地をひっくり返すくらい革新的技術で無い限り、なかなか浸透していかない。

(独)中央農業総合研究センターの開発した「ロンぐマット田植技術」もその一つだ。Cimg2944

これまでの箱育苗に比べれば、10倍位の省力になるはずだ。

しかるに、初期投資に金がかかるとか、慣れた技術のほうが安心などと、

これまで通りの重労働を続けている。

そこで中央農研では、技術を現地に普及するために出前講座なるものを始めた。

ところが、これもなかなか難航している。Cimg2945

地域には地域の職域があって、地域の技術者の保守性の前で立ち往生と言ったところだ。

地域の技術者の頭ごしに、そんな技術を普及されたら自分達の技術者としての立場が無いと言うのだ。

「てやんで~! 立場もくそも有るもんかい。

悔しかったら、もっと良い技術を開発してみろい!」

と、言いたいのは山々だが、そこは大人の話と言うことになってしまっている。

実は、農業の世界がなかなか変わらないのは、技術者が頑迷な保守派であること。

それに制度と団体、極めつけは生産者の技術音痴にある。

あえてリスクに挑戦してこそ、産業は発展していく。

みんなそろって、一歩前に足を踏み出そう。

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2007年3月 5日 (月)

日本人の食い物

先日のメダカの学校で、農業の大切さについて話をした。Cimg2886

その話を聞いた方から、こんな質問があった。

「既に、日本の食料自給率は40%だ。

国内の農地だけでは間に合わない。Cimg2887

輸入するしかないじゃないか」と。

ごもっともである。

飽食のこの日本では、飼料穀物や果物・野菜を含め、多くの食料を輸入に頼っている。

それにこの国では、食料の30%ほどを残飯としてゴミにしているのだ。Cimg2888

輸入される食糧は、国内農地面積の2.4倍もの海外の農地を使っている。

当然、そんなに広大な土地を国内で確保することは不可能だ。

だがしかし、現在の日本の農地は469万ヘクタールだ。

一人当たりにすると、366㎡になる。Cimg2889

江戸時代には、一人一石(米150kg)で生活できるとされていた。

一石の米を生産するには、水田が250㎡も有れば足りる。

とすると、飽食を少しだけ諦めるなら、現在の農地で足りることになる。

おまけに、生産を休んでいる水田が40%近くある。

それに、農地の15%くらいは荒廃している。

水田の裏作だって、ほとんど作ってはいない。

話は、少し飛躍する。

北朝鮮の農業である。

実は、北朝鮮は農業がほとんどない珍しい国なのだ。

農地は、韓国の半分以下しかない。

しかもその大半は、傾斜度15度以上の段々畑なのだ。

岩山ばかりで、まともに農業のできる土地がない。

お陰で国民は、年中飢餓と隣り合わせに暮らしている。

将軍様が、一人贅沢しているからだけじゃないのだ。

原爆でも作って、援助を引き出すしかなかろうが・・・・??

土曜日の「しずおか水土里フォーラム」を聞きながら、そんな事を考えていた。

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2007年2月 8日 (木)

消費の趨勢

消費の趨勢を無視して生産してきたのが、これまでの農業だ。

米でもミカンでもしかりである。

人口が減り始めて、供給が需要を上回ろうとしている現在、そんなことでは経営は成り立たない。

1990年は、この日本国内で最も車が売れた年だ。

777万台も売れた。Cimg2684

昨年が516万台だから、大変な売れ行きだった。

しかしその売れ筋に、微妙な予兆が出ていた。

セダンが売れないと言う現象だ。

何故セダンが伸びないのか? 

某自動車メーカーは、徹底的な消費嗜好分析を行う。

そして、家族構成や生活意識の変化、行動パターンなどの変化にその原因を見つけ出す。

そうしたマーケット調査の結果生み出したのが、オデッセーと言う車だ。

この車は、予想通り爆発的に売れた。

消費の変化を読み、日々販路を開拓する。

そうした活動の傍ら、自らの経営品目の構成を調整していくのだ。

品目を変えることは、不安だしリスクも伴う。Cimg2683

だけど、百年一日の如く同じ物を作って、滅びていくよりははるかに賢明だ。

有利に販売しようとするのではなく、消費(実需)者が選ぶ農産物を生産するよう努めることだ。

高齢化や人口の減少、健康志向のなかで、消費者は何を選ぶのか。

その微妙な変化をかぎ分けて、コスト計算していくのが経営だ。

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2007年1月24日 (水)

セトカとの出会い

私がセトカに出会ったのは、昨年の2月のことだ。

東京の幕張メッセ会場である。

偶然、韓国のブースの前を通りかかって、韓国美人から手渡された。

珍しいなと思いながら、詳しい説明も聞けずに、持ち帰ったのが最初だ。

食べてみると、これが実に美味しい。

皮もするりと剥けるし、ホロも柔らかで苦にならない。

採れたてのフレッシュな香りと味わい。

「これは、静岡の青島温州の強敵になる」と直感した。

調べてみると、セトカだという。

それにこのミカンは、興津の試験場で品種開発された中晩柑と分かった。

それが、何故韓国に有るのか? 

実は、興津では「栽培が難しい」と言う理由で、一旦は放棄されかけた品種なのだそうだ。

その品種を、韓国の技術者が持ち帰った。

そして、済州島をセトカの大産地にしたと言うわけだ。

しかして、その売り先を日本にという次第である。

今、日本でもやっと、九州などで産地化への動きが始まっている。

この静岡はどうか? 実は、シカト状態にある。

理由は、主力品種の青島と競合するということだろうか。Cimg2640

先日、そのセトカに再びめぐり合った。

南伊豆で開かれた品評会に、セトカが出品されていたのだ。

生産者は高野さんと言って、御用邸で有名な須崎のビニールハウスで作っておられた。

生産量も多くはなくて、全て通販で販売しているようだ。Cimg2641

残念ながら、お会いすることが出来なかったのだが、その先取の気性には敬服する。

産地と言うものは、日進月歩であるべきで、進歩を止めたら衰退が有るだけだ。

もちろん、慢心など存外である。

あらゆるところにアンテナを張って、後詰を含めて、産地の危機に備える。

それが産業の担い手として、不可欠な資質だと思うのだが・・・・

それが出来ないのは、保守性の強い地域性なのだろうか?

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2007年1月22日 (月)

マーガレット

何ともエレガントな名の、花のことである。

キク科のキク属に分類される。Cimg2623

シュンギクやハナワギクの仲間と言っても良い。

カナリア諸島の原産で、葉が細く切れ込んでいてシュンギクを思わせる。

房総半島や福岡で一部栽培されている他は、ほとんど伊豆で生産している。

かつて南伊豆に、県立の有用植物園があった。Cimg2620

ここでシュンギクや在来種と交雑させたり、海外の品種の導入に努めたことから、地域に栽培が広がった。

観光伊豆と相俟って、すっかり地域の花として定着したといえる。

そのマーガレットが、今又脚光を浴びている。

放射線による品種改良で、赤や黄色・ピンクなど様々な品種が生まれているからだ。

それに切花だけではなくて、鉢花向けにも生産が拡大している。Cimg2639

収穫できる期間だって、かつての一時集中ではなくて、かなり長期間になって労力も分散出来るようになった。

そんな研究の成果が評価されて、3月の24日から上野の国立科学博物館の特別展「太古の花から青いバラまで」で展示紹介されることになった。

決して派手な花ではないけれど、長い期間しっかりと咲き続けるマーガレット。

こんなに地味な花が、これからの時代の花なのかもしれない。

特別展・・・是非見に来てくださいね。

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2007年1月18日 (木)

紅ほっぺで行こう!

洋菓子店のキルフェボンが、東京都で゜「紅ほっぺ」を使ったタルトケーキの販売を始めた。

1カット、1,260円なのだそうだ。Cimg2588

実は紅ほっぺは、私の研究所が育てたイチゴの新品種だ。

全国には、アマオーとかトチオトメなどと、様々な品種が割拠している。

しかし紅ほっぺは、イチゴの中のイチゴ。Cimg2585

程よいさわやかな酸味と香りに特徴が有る。

イチゴらしいイチゴと言って良い。

昨年、生産者の皆さんが「紅ほっぺで行こう」と決議した。Cimg2590 

みんな揃って、紅ほっぺを育てて、全国のイチゴ市場を席巻しようということだ。

先日、伊豆の国の「農の駅」を訪れた。

その田方地域のイチゴ生産者の皆さんが、紅ほっぺに熱くなっていた。Cimg2586

紅ほっぺを入れ込んだ餅をついて、観光客の皆さんに配る。

紅ほっぺのお菓子だって登場していた。

品評会にも、素晴らしいイチゴが並んでいた。Cimg2587

よし、よし、紅ほっぺは物になる。

そんな実感を、ひしひしと感じて帰ってきた。

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2007年1月13日 (土)

ハマコマチ

薩摩芋の話です。Cimg2582

(独)九州沖縄農業研究センターの育てた品種なのですが、

ハマコマチのハマとは、遠州灘の浜を意味しています。

砂地で育ててこそ、美味しくなるハマコマチ。Cimg2581

このハマコマチを特産物にしようと、研究会が発足し活動を始めています。

ハマコマチは、カラフルなオレンジ色をしています。

そしてそのオレンジ色に、ベータカロチンが人参の1.5倍も含まれているのです。Cimg2583

ハマコマチ研究会には、農業生産者や干芋加工業者が加わっているのですが、

先ず、ハマコマチの用途開発から活動を始めています。

お酒やケーキ、アイスクリーム、料理素材、漬物などなどと工夫しているのてす。

本来薩摩芋は、健康食品として多様な可能性を秘めています。Cimg2584

その可能性を顕在化させ、需要を喚起してから、荒廃の進む海岸砂地を生き返らせようというのです。

先日、皆さんが工夫した品々を試食させていただきました。

う~ん、これが芋かという味わいでしたよ。

綺麗な人参色も、ハマコマチの魅力ですね。

研究会の皆さんの活動を応援したいですね。

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2006年12月28日 (木)

博打と農業

今週以降の野菜の価格は、生産者にとって悲劇的ですらある。

この暮れになっても市場では、大根一本10円、ホウレン草一束40円、レタスの1k230円などと言う値段で取引されている。

キャベツ一個30円では、苗の育て賃にもならない。Cimg2504

立派に育てた大根を収穫して洗って、箱に詰めてトラックで送って、それで10円である。

大根を洗う手間賃にもならない。

出荷などしない方が良いはずだが、産地からの出荷は何故か絶える事が無い。

どうして、こんなことになるのか。Cimg2505

それは、直接的には今年の気候の影響だ。

適度な雨と暖かさが、作物を120%成長させたからだ。

それを生産者は、せっせと出荷するものだから、だぶついた量が価格暴落を引き起こしてしまう。

では何故、出荷を止めないのか。

それは産地の競争や戦略であったりするが、価格暴落時の幾ばくかの補填金があったりして、遊んでいるよりは良いと言うことだ。Cimg2506

そんな行政的な措置が、余計に暴落を続けさせてしまうと言う次第なのだ。

「野菜は、博打だ」と言われ続けてきた。

3~4年に一度当たれば良いと言う意味だ。

そんな博打農業が、これまでずっと続いてきた。

農業が産業にならなかった原因の一つが、実はこの博打なのだ。

しかし、最近ではその「当たり」も、はかないものになってしまった。

野菜の価格が高騰すれば、直ちに海外から緊急輸入されるようになったからだ。

これでは、農業は経営にはならない。Cimg2507

そんな馬鹿らしい産業に就業する若者がいるはずがない。

先日「食と農のシンポジューム」で、「弊社では、そんな博打の農業は止めたのです」と言う発言があった。

森町の佐野ファームである。

佐野ファームでは、レタスをはじめ様々な洋菜類を生産している。

そして、生産物は基本的に契約販売で、値段は事前に決まっている。

考えてみれば、価格の暴落で潤っているのは誰だろうか? 

消費者だって、潤っちゃいない。

野菜の価格は、スーパーの特売などを別にすれば、末端ではそれほど安くならないのだ。

仮に安くなったとしても、安くなったからと言って大根を倍も食べる訳には行かない。

逆に、反動で高騰した時に難儀するだけだ。

外食産業も惣菜・食品加工業界だって、製品の末端価格をそんなに変える訳にはいかないのだ。

原料の調達が、安定しているにこしたことは無い。

しかも、農産物の実需先は益々大口化しているから、市場を通じた調達はむしろ不安定要因にすらなっている。

全国展開するスーパーなら余計にそうなる。

とするならば、もう博打なんて止すべきだ。

沢山の小口農家が、好き勝手に作付けして、作況のままに出荷する。

暴落すれば、それを価格補填する行政。

それは、過去この事であるはずだ。

実需も生産も大口化しているのだから、キチッとした契約供給に切り替えるべきなのだ。

そして、必要以上のものは出荷しない。

廃棄なり加工なりに回せば良いのだ。

そうすれば農業経営は、計算できるようになる。

雇用をして経営規模を拡大することだって可能になるはずだ。

もう、博打は止めにしよう!

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2006年12月 9日 (土)

農産物フェアー

 JA主催の秋祭りなどが終わって、集大成のような形で県の農業フェアーが開かれる。

 最近では、幾分商談会の色彩も帯び始めている。Cimg2442

 単に新鮮で安い農産物を知って買って頂くという段階から、少し発展を見せているのだ。

 地産地消との掛声が、一向に生産者の福音につながらない。

 それは単に不特定の消費者に向かって『お願いします』と言っているに過ぎないからだ。

 ちゃんと業と業を結び付けて、その業にとってもメリットになるようにしなくちゃ駄目だ。Cimg2446

 例えば「身土不二」を売りにした外食と提携するとか、組織的なやり方が必要だ。

 これまで私は多くの場合、主催者の側でこの種の催事を見てきた。

 今回は、逆の側に徹して見てみる事にした。

 多くの出展者が、産物を持ち込んで「さあ、如何ですか」と言うパターンになってしまう。

 それではその場限りの、売ります買いますで終わってしまう。Cimg2447

 イベントとしてはそれも面白いのだが、フェアーの目的は本当の情報の伝達なのだ。

 誰にどんな情報を伝えたいのか、まず自ら明確にしてかかるべきだろう。

 そんな視点から見ていくと、面白いものもけっこう有る。

 米と言うものを、もっと考えて理解してほしい・・。とかCimg2449

 静岡特産のミカンだって、色々な種類もあって意外と面白い。

 サポーターの皆さんが、歌を作って歌っていた。

 「♪富士の お山を 背中に向けて

 駿河の お国は ミカン山

 丸い笑顔が すまいずらCimg2450

 するが訛りの うまいずら

 親子三代 自慢のミカン

 お届けしますよ 真心を♪」

 ちょっと歌詞は古臭いけど、素朴で良かった。

 農産物には、面白さが一杯ある。

 その本当の面白さを、面白く説明する技術を開発したいものだと思う。

 稲作研究会の皆さんも、自分達の米を一生懸命PRしていた。 Cimg2443

 恐らく、こうした努力がもっとグレードアップした形で、次の時代のマーケティングへと発展していくのだろう。

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2006年12月 4日 (月)

稲作研究会にて

 米や麦などの貯蔵できる穀物の生産が、権力を養い国家へと発展させてきた。

 穀物の貯蔵は原始社会の生活に余力を生み、富の蓄積となって権力を培ってきたのだ。

 この日本列島では、その役割を米が担ってきた。

 弥生の米の登場によって、それ以前の狩猟採集の時代とは、社会のシステムがまるで変わってしまう。

 そうして、邪馬台国が誕生する。Cimg2329

 だから大和朝廷以来、国の税金はずっと米だった。

 まさに瑞穂の国と言われたとおり、明治になるまで農は国の大元であり続けたのだ。

 それじゃあ、こ列島の住人がちゃんと米を食ってきたかというと、実はそうでもない。

 民謡「こきりこの竹」に歌われているように、死の間際に竹に入れた米の音を聞く・・・などと言う生活は、極普通に見られたようだ。

 農民を始めとした庶民の多くは、ヒエやアワなどの雑穀、それからイモ類などを食ってきた。

 近世のヨーロッパだって、ゴッホの「馬鈴薯を食べる人びと」に描かれたように、芋が食べられれば良い方だった。

 この戦後だって、「貧乏人は、麦を食え」と発言して物議をかもしたのは、所得倍増論の池田勇人首相だった。

 そして、米が十分食べられるようになったのは、昭和30年代も後半になってからだ。

 米の消費量のピークは、昭和37年の118kg/年だ。

 それ以降は減少の一途を辿って、最近では一人当たり60kgを下回るようになった。

 何故そうなったかと言うと、食物を保存する技術が進歩したからだ。

 今では、肉でも野菜でも、冷蔵や冷凍で何年も保存できてしまう。

 つまり、かつての穀物と同じようになったのだ。Cimg2405

 しこうして米は、肉や魚と変わらない一つの商品になった。

 昨年ピークアウトした日本の人口も、これからどんどん減っていく。

 年金世代の比率も多くなる。

 だから、米の消費量はもっと減っていくだろう。

 消費者の求める食の内容も質も、随分と変わっていくのではないか。

 一方、米が単なる商品になったからこそ、自由な販売戦略も可能になった。

 事実、一俵1万2千円の米もあるが、一俵6万円で売れる米もある。

 いずれにしても、「需要が供給を作り出す」と言うことを忘れないでほしい。

 かつてのように、供給が需要を生み出す訳ではない。

 需要のあるものを合理的に生産して、利益を生み出すのが農業だ。

 広大な農地を使っている稲作経営者には、多くの可能性と選択肢が残されている

 何も稲作に拘る必要は無いのではないか。

 県下の大型稲作経営者の研修会で、大筋そんな憎まれ口をあえて述べてきた。

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2006年12月 2日 (土)

食と農

 日本人の食は、誰が支えているのか? Cimg2425

 エネルギーベースで40%と言うのは、見方によればとんでもない水準だ。

 世界の先進国は、すべからく100%以上だ。

 フランスなどは、その食文化と合わせて外交にも食を駆使している。Cimg2428

 日本の為政者にその真似が出来る訳は無いが、今、教育問題よりも先に食を政治のテーマにすべきだと思う。

 ともあれ今日、「食と農」わテーマにしたシンポジュームに臨んだ。

 もちろん宮城大学の鈴木建夫先生にも、多角的な食の関わる問題提起をしていただいた。Cimg2432

 その後、何人かの農企業家の皆さんの発言が続いて、パネラーと共に一つの共通項を見出す事が出来た。

 それは、食に対する需要のあり方が供給を決めると言うことだ。

 食べる物が無かった時代には、供給が全てを決めてきた。Cimg2430

 でもこれからは、需要が供給を決めるのだ。

 ただしかし、需要を決める消費者の責任こそ重要なのだと言うこと。

 これは、日本民族の民度の問題なのだと思う。

 今日は、学生や消費者の多くの皆さんと共に、そんなくそ真面目な討論会が出来た。

 思いの他、皆さん真剣に参加していただいた。

 日本民族も捨てたものではない。Cimg2427

 会場では、世界緑茶協会によるインストラクション、

 それにポスターセッションもあって、少しばかりアカデミックでもあった。

 こんな会を繰り返し繰り返しやっていけば、日本はもっと良くなるかもしれない。

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2006年12月 1日 (金)

佐野ファーム

 昔は沢山の生産者が、野菜などを少しずつ作って農協に出荷し、

 農協は、それを一定の規格でまとめて卸売市場に送った。

 卸売市場では、中卸がその青果物を全国の八百屋に分荷していた。

 この機能は、随分上手く機能していた。

 しかし、八百屋や果物屋がなくなって、物流は量販店の独壇場となった。

 それに外食や中食産業が発展し、そこで実際の需要が発生するようになった。

 川下はどんどん変わっていくのだけれど、川上がさっぱり変わらない。

 つまり、青果物の流通が動脈硬化を起しつつあるのが今日の姿だ。

 それで食品産業の中には、直接生産に乗り出すところ出始めている。

 知久屋や和民などの外食産業、それにキューピーなどもそうだ。

 袋井市の南部に進出している「若葉フーズ」という会社もその一つだ。

 岐阜県を本拠にするこの会社では、毎日十トン余の新鮮なダイコンを必要としている。

 刺身のツマを生産・供給するのが業務だからだ。

 その業を拡充していくには、どうしても原料ダイコンを、価格・量ともに安定して確保することが必要になる。

 それがこれまでの流通機構では、どうしても無理なのだ。

 それで直接生産に乗り出しているのだ。

 企業が農業生産をせざるを得ない時代が、到来しているとも言える。

 今日の話題は、そうした時代の流れを受け止めて、

 「それならその供給を引き受けよう」としている農場のことだ。Cimg2408

 (有)佐野ファームである。

 食品産業や量販店の需要に対応して、一定の規模で計画的な生産をし、

 これを確実に納品するシステムを目指している。

 現在は、レタスや水菜、フリルレタス、スイートコーンなどを6ha余りで生産している。

 家族経営が当たり前だった農業生産を、誰でも就業できる職場に変えようとしている。Cimg2407

 社員やパートさんを引っ張っているのは、社長と専務である。

 今日は、レタスのビニール被覆作業であった。

 そして、そのトンネルの支柱設置は、機械の力をフル活用していた。

 この地域では、恐らく始めて導入された機械だろう。Cimg2409

 多くの面積を被覆するには、恐らく数万本の支柱を刺さなくてはならない。

 それにはどうしても、機械力が必要なのだ。

 こうした先取の取り組みが、農業という産業を変えていく。

 若い社員の皆さんも、生き生きと生産に取り組んでおられた。

 自分達が、新しい業態を作っていくんだという、そんな自負心を恐らく持っているのだろう。

 頑張れ、わかものたち! 

 

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2006年11月29日 (水)

斉藤農園

 駿河湾を一望に望む足鷹山のすそ野に、その農場はあった。

 浮島沼からせり上がった高台に、あの機能的なハウスが凛と並んでいた。

 斎藤さん若夫婦が、命をかけて取り組んでいる農場だ。Cimg2403

 彼らは、アメーラクラブの一員として、高糖度トマトの生産に取り組んでいる。

 高い糖度トマトとは、糖度7度以上のトマトを言う。

 普通のトマトが3~4度だから、色々な工夫をしなくてはそんなトマトは生産できない。

 それを彼らは、夏は糖度7度以上、冬は9度以上のトマトをコンスタントに生産している。

 実は、この高糖度トマトの生産システムを開発したのが、私の所属する研究所なのだ。

 システム開発から、ほぼ10年と少しになる。Cimg2400

 高糖度トマトは、新しい商品として完全な市民権を得るまでに成長した。

 システム開発が、新しい市場を造り上げたのだ。

 高糖度トマトは、極めてシビアーな水分管理によって生まれる。

 斎藤さん夫婦は、その技術に挑戦して8年になる。

 そして今、若い彼らが語る一言一言が自信に満ちている。

 もちろん、苦労は多い。Cimg2402

 でも夢中で、この新しいトマトの世界に挑戦している。

 そして来年は、農場を株式会社化して、より一層機能化させようと意気込んでいる。

 間違いなく彼らの若い力が、新しい産業を作っていくのだ。

 12月2日、静岡市の商工会議所大ホールで「食と農を語るシンポジューム」が開催される。

 奥様の『みさ江』さんは、そのシンポジュームにパネラーとして登場する。

 若い力に、みんなでエールを贈りたい。 

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2006年11月27日 (月)

さつまいも祭り

 四十数年前に、こんな祭りが考えられただろうか。

 さつまいもは、学校から帰って唯一腹を満たす食い物だった。Cimg2390

 浜野(海岸の開畑地)に出かける時は、5km余りの道のりを牛に車を牽かせて、家族そろって出かけた。

 朝から芋を掘り続けて、昼のお弁当の待ち遠しかったこと・・・。

 畑の傍らで屑芋を焼く。その半分炭になった芋が、なんとも香ばしくて旨かったこと。

 戦時中は、その芋の蔓でさえ食料にしたのだと言う。Cimg2396

 それが、やがて食があふれてくると、薩摩芋は豚の餌になった。

 そして今、薩摩芋は健康食材として脚光を浴び始めている。

 紫芋からクイックスイートまで、品種も多彩だ。

 干芋だって色々ある。Cimg2384

 ケーキに菓子、バラエティー豊かな料理の材料として、アイスクリームにだってなる。

 それに食欲をそそるあの香りが、子供の頃の畑の焼芋を思い出させてくれる。

 芋料理・菓子コンテストを見て、改めて「これは昔の芋じゃない」の感を深くした。Cimg2387

 

芋の団子なんて、どんな味がするか食べてみたいと思いません? Cimg2388  

 それぞれの料理だって「芋が入ってるんです・・」って説明が無かったら、「これ、美味しいけどなに?」って聞くよね。きっと!

 焼芋のコーナーに大勢の人が並んで、みんな懐かしそうでしたよ。Cimg2392

 芋、きっとこれ将来性あるよね。

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2006年11月15日 (水)

新しい時代の薩摩芋

 今日は、薩摩芋について書きます。

 江戸時代の享保の頃、飢餓に苦しむ多くの人を救ったと言うあの甘藷のことです。

 その飢餓を救ったサツマイモを普及したのは、青木昆陽ですね。

 昆陽は、長崎でサツマイモという作物を知って、著書などによって全国に知らせたのです。

 でもそのルーツは、北米のメキシコにありました。

 それをコロンブスが、新大陸発見の土産にスペインのイザベル女王に献上したのです。

 でもヨーロッパではジャガイモのようには広がらず、アジアの諸地域で栽培されるようになります。

 日本列島には1600年頃、福建省から沖縄、さらに種子島を経て鹿児島に伝わっています。

 それで、薩摩芋と言うんでしょうね。

 その薩摩芋が、今色々な面から注目されているのです。Cimg2337

 まず、その用途の広がりです。

 不可視芋焼芋はもちろんですが、今では各種のペーストやケーキ、パン、蕎麦、ジュースの材料としても使われるようになりました。Cimg2334

 あの濃い紫の「種子島ムラサキ」や、ピンクがかった黄色の「紅高系」などの色も良いですね。Cimg2335

 よく観察すると薩摩芋は、

 少しの肥料で、沢山採れます。

 それに、植物繊維、セルロースが多くて極めて健康食なのです。

 おまけに、βカロチンの量は人参をはるかに上回ります。

 紫芋には、ポリフェノールがたっぷりで、野菜の中では最も多く含まれています。

 そんな訳で、生産量も徐々に回復しつつあります。Cimg2331

 青果用に50%、澱粉向けに20%、加工食品仕向けに10%、焼酎に10%、その他で10%活用されています。

 最近では、「クイックスイート」なんて品種が出てきて、電子レンジで5分チンとするだけで食べられるんですって。

 やがて、βカロチンたっぷりの「ハマコマチ」が、遠州から出荷されますよ。Cimg2339

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2006年10月21日 (土)

食と農

 私達の体は、食べ物によって作られている。

 そうである以上、サプリであれファーストであれ、その原材料は農業が供給している。

 食が健康の重要なエレメントであることは、論を待たない。

 そうであれば、私達はもっともっと農業に関心を持たなくっちゃいけない。

 今日、静岡市で「薬食同源」をテーマにシンポジュームが開かれた。Cimg0435

 論議は、薬膳やら食育、食物と薬の相性やらの話があった。

 でも、その素材を誰がどのように供給するかの議論は、全く無かった。

 一体全体、食料は誰が生産しているのか。Cimg0436

 戦前までは、この国の人々の七割までは農民だった。

 今、この国の農業生産は、ほぼ崩壊しかかっている。

 朝昼晩の三食を食べることも必要だ。

 カーボロイド、プロテイン、ビタミンの三色を満遍なく食べることも健康には不可欠だ。

 だけど、その源泉を一体誰が生産するのでしようか? Cimg0437

 この国が滅びるとすれば、それは北朝鮮の核弾頭でもなく、オーム心理教のような狂信でもないと思う。

 健全な食の供給を失うことから、この民族の崩壊は始まるのだろう。

 何故なら、食は人間の最も根源的な文化だからだ。

 それぞれの民族は、地産と外から取り入れた食材を歴史の練磨の中で修練し、それぞれ独特の食文化を作ってきた。

 農を崩壊させることは、民族の歴史をも崩壊させることに繫がる。

 『 食をこそ 国の糧とて つちかわん 』

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2006年10月13日 (金)

紅ほっぺ

 中まで赤くて、ほっぺが落ちるほどコクのある味。

 だから、「紅ほっぺ」。私の研究所が育てたイチゴの品種です。

 近年にないイチゴらしいイチゴ。これが多くの食べた方の評価です。Cimg0420

 甘いだけではなくて、香りがあってジューシーで、適度な酸味が実に心地良いんでよ。

 この品種を、良しと決めて品種登録したのが平成10年。もう品種が出来てから、6年以上経過しています。

 その品種が、フィーバーをし始めています。

 静岡県のイチゴは、ほとんどがこの紅ほっぺになろうとしていますし、愛知でも千葉でも「紅ほっぺ」と言い始めました。

 実はイチゴは今、品種戦争の真っ只中なんです。Cimg0411

 栃木の「とちおとめ」、福岡の「あまおう」など、それぞれの地域が地産の旗を掲げて戦っているのです。

 この中で紅ほっぺは、地産ではなく全国制覇を目指して戦線を広げつつあります。

 つい前日も、熱心な生産者が大勢集まって研究会が開かれました。

 「 美味しさで 戦線広がる 紅ほっぺ 」

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2006年10月12日 (木)

光と農業

 農業は、最大の光産業だと言える。

 太陽光をエネルギーとして体内に取り込んで、必要な物質を生み出す。

 光はエネルギーとしてだけではなく、植物が生きていくためのシグナル(情報)としても重要なものだ。

 だから、一度根を張ると移動出来ない植物は、生存のために光の変化に対応して様々な反応をする。

 ひょろひょろと伸びたり、慌てて花を咲かせたり、葉を落としたりと言った具合だ。

 言うならば植物は、光に反応する精密なマイクロマシンなのだ。Cimg0419

 それを人工的にコントロールするのが、植物工場や補光、遮光などの光関連技術だ。

 とは言え、分からないことが多い。と言うよりも、ほとんど何も分かっていないと言って良いだろう。

 光をコントロールすることで、様々な可能性が語られる。だが、その何れも太陽光に勝るものではない。

 第一私達が毎日使っている石油や石炭だって、植物が気の遠くなるような年月をかけて地球に蓄えた太陽エネルギーなのだ。

 今日、光を使って新しい産業が出来ないかという研究会が開かれた。

 植物の発生する光(バイオフォトン)を利用して、植物抵抗生物質(サプリメントのようなもの)を探し出すこと。

 ・・などが報告されたが、まだまだ道遠しと言った感がする。Cimg0417

 古い知識で新しい産業は起しえない。だが、先走りと思い込みだけでは何も生み出さない。

 ゲノム解析を含めて、研究のこれからを考える貴重な時間になった。

 

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2006年9月29日 (金)

農業は環境破壊者?

 自然を人間にとって都合の良いように改造して、人間のための作物を生産する。それが農業です。

 当然、もともとの自然環境を変えてしまっている訳です。

 紀元前、農業が始まったと言われているチグリス・ユーフラテス川の一帯は、今では砂漠に近い状態になっています。

 もともと雨が少なくて、自然の回復力の弱いところでは、塩害などが進んで農耕は出来なくなってしまいます。

 そうしてみると、農業は永い歴史の中では最も自然を破壊してきたのかもしれません。

 でもそのお陰で、今地球上には60億人もの人々が生活できるのです。Cimg0340

 只、近世の農業は、かつてとはかなり違ったやり方をするようになりました。化学合成された肥料を使うようになったのです。

 窒素は、植物の成長にとって必要不可欠なものです。その窒素は、かつては窒素固定細菌によるものか、堆肥からしか供給できませんでした。だから窒素は、常に不足している状態にありました。

 今ではその窒素が、科学的に大量に合成されて使われているのです。お陰で、生産力は飛躍的に増えました。

 しかし、日本のように雨の多いモンスーンの地帯なら良いのですが、地球の多くの所ではこの窒素が集積していきます。

 過剰な窒素は、地下水も汚染していくでしょうし、農地そのものにも次第に大きな影響を与えるようになるかもしれません。

 ひょっとすると、やがて農業のやり方が問われる時が来るのではないかと思ったりしています。Cimg0343

そんな農業と環境を考えるシンポジュームが、東京の新宿で開かれました。農業環境の問題を、大都市の真ん中で開催するのは、ちょっとしたジョークなんでしょうか。

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2006年9月26日 (火)

収穫の秋

 収穫とは、昔はたいてい米のことだったと思う。そうして米は、菩薩とか銀舎利とも呼ばれて大切にされてきたのです。

 日本人にとって米は生活の糧そのものでしたから、その豊凶に多くの関心を払ってきたのは当然のことですね。

 江戸期の安藤昌益などは、「人間は、米の原理によって生かされているに過ぎない」とまで言っています。

 でも今では、米は数ある食べ物の一部に過ぎなくなって、作況など民族の一大事にはなりそうにありません。

 その原因に、戦後の農業技術の進歩があります。何しろ戦後、米の反収は2.3倍になったのですから。

 一方で、米の生産拡大と反比例するように消費が減り続けてきたのですから、米は有り余ることになりました。

 そして、昭和45年から強制的な減反政策が始まります。人々の米に対する見方は、これを期に大きく変わってきたのです。 Cimg0338

 かつての稲刈りは、10月から始まって寒くなるまで続いたものです。今ではまだ9月だというのに、米の収穫は早くも最盛期を過ぎています。近年の育種が、季節の風景までもガラリと変えてしまったのですね。

 食糧管理法によって生産も流通も厳しく統制されていた時代がありました。だけど今では、流通も生産も基本的に自由です。

 だから需給調整は、生産者自身がやるしかありません。いよいよ来年からは、本格的な米農業の戦国時代に突入するのです。

・・・『 稔るほど 値段気になる 銀シャリの 』・・・

 

 

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2006年9月15日 (金)

親環境農業

 私達はこれまで、限りなく効率を求めて突き進んできました。

 農業も同じで、沢山の肥料を与えて、沢山の農薬をかけて最大の収穫を得る。それが、時代の使命だと考えてきました。

 だけどね。人口はこれからどんどん減っていく。荒れ地もどんどん増えていく。そんなに急いでどこ行くのって世界ですよね。

 そう思って良く考えてみると、ひょっとしたら農薬なんて使わなくったって、十分な生産が出来るんじゃないかって思う。

 青虫なぞを殺してしまう病原菌だって有るし、アブラムシを食べちまうテントウムシのような天敵だって一杯いる。

 害虫に寄生して殺しちゃう蜂の仲間も一杯いる。弱毒ウイルスのようなワクチンだって有る。うどん粉病を抑える納豆菌だって有る。フェロモンで昆虫の生殖を攪乱することだって出来る。

 要するに、これまで訳の分からない化学合成農薬が、手っ取り早いから使ってたんで、ちょっとは反省しないとね。

 これからは人口も減るしね。年金世代も増えて、健康に良い物はどんどん売れるようになる。

 そんな時代の要請に応える技術を、ちゃんと組み立てなくっちゃね。

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2006年9月 3日 (日)

福来美(プレミ)村の体験農業

 韓国の農村は、かつては韓国社会そのものであった。その農村が、1970年代からのセマウル運動によって、土地基盤整備が進み、農業も大きく近代化されてきた。

 ところが、近年の爆発的な経済成長が、農村人口の都市への大量流失を引き起こし、農産物流通の国際化と価格低迷がこれに追い討ちをかける。結果として、都市近郊の農村ですら、耕地の荒廃と廃屋の目立つ状態になってしまった。

 では農業の規模拡大が出来ているのかというと、これがなかなか難しい。何故なら、水田の価格が日本円で10a300万円もするからだ。韓国では、経済の発展と平行するように全国各地に巨大な高層アパート群が建設された。この建設が各地で土地バブルを引き起こし、農地の価格にもその影響が多分に及んでいるからだ。

 福来美村は、ソウルから一時間半程の所に有るごく普通の村だ。28戸の集落だが、廃屋も目に付いて寂れた感じは否めない。人口1000万人の首都から僅か離れただけなのに、これが韓国の農村の現実なのだろう。Cimg0266

 その寒村に、コーと言う一人の女性が活性化への火をつけた。何の変哲も無い村で、水稲やトマト、イチゴやジャガイモ、リンゴやナシなどを材料に農業体験のアクティビティを準備し、都市から客を招くことを始めたのだ。もちろん写生大会や、梨花まつりなどといったイベントも開催している。

 そして三年目の今年は、二万人の入れ込み客を実現しそうだと言う。農家の所得も40~50%を体験プログラムから得るようになった。マスコミもこれを大きく取り上げて、この村は一躍有名な村になった。Cimg0268

 今ではこれに便乗して、この村の農産物をプレミブランドとして通販するようになった。サムスングループ企業などが、この活動を側面支援している。大変結構なことなのだが、全国の農村でこの伝が通じるのかどうか・・・・。

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2006年8月30日 (水)

ベンチャー農業大学

 「韓国の農業は、生産だけに汲々としていたから苦しいのだ。政府に依存するのではなく、経営やマーケティング能力を磨いて個々人の創造力を高めれば、農業を産業として発展させることが出来る。」とミン教授は言う。

 そして彼は、経営能力を鍛えるために、アグリベンチャー農業大学を設立して活動してきた。政府の支援も無い無手勝流の学校は、今年で第六期生を迎えている。

 この大学では、各種カリキュラム終了後に将来の経営計画をそれぞれ発表し、審査にパスしないと卒業したことにならない。これがなかなか厳しくて、晴れて卒業できるのは50%位だそうである。それでも既に、400人近い卒業生がいることになる。

 その卒業生が、ミン教授が言うような具合に、スター農民として成長しているのだろうか。大いに、気になるところだ。その卒業生が一堂に集まって、毎年、アグリベンチャ・フェスティバルを開いている。このフェスティバルに、私達も参加することが出来た。Cimg0281

 卒業生は、自分の農産物を展示したり、産物をテーマにしたファッションショーなどで、夜中まで家族ぐるみで楽しんでいた。もちろん我々も、静岡の産物PRコーナーを設けたし、ファッションショーにも臆面もなく参加した。そして、海外からの参加ということで、すっかり彼らの注目を浴びることとなった。

 フェスティバルは、プロのファッションモデルや著名人、取引業者の参加、そしてKBSの番組化などもあって、かなり本格的なものである。Cimg0278

 では、肝心のスター農民は育っているのだろうか。確かに、30億円を取り扱う米販売業者や梅の観光農園、人参チョコの開発販売など、一部に突出した卒業生が生まれている。

 だが多くの卒業生にとっての現実は、そんなに甘いものではないだろう。資本の確保や販売網の構築は、容易なことではない。だからこそ、このベンチャー農業大学関連のネットワークに多くを期待しているのだろう。Cimg0282

 韓国の農業環境は、通信販売や観光農業、生産構造、消費行動など、その熟度は日本と比べるとまだかなり遅れている。ミン教授の試みは、実態よりもかなり先を進んでいるようだ。だからこそ彼は、卒業生に日本のそうした時代の流れや農業の変化を学ばせたいのだろう。

 いずれにしても、農業の未来への挑戦が続いている。Cimg0276

 

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2006年8月29日 (火)

ミン・スンギュ教授

 巨大な企業に発展したサムスングループ。その傘下に、サムスン経済研究所というシンクタンクがある。ミン・スンギュ氏は、その研究所の研究員に過ぎない。年齢は、40代の半ばである。その男が今、韓国で農業の救世主としてカリスマ的存在になっている。

 経済成長から、置いてきぼりにされた韓国の農業。その農業に「企業の持つ経営とマーケティング感覚を注入することで、農業がビジネスになる」それが、彼の信念のようだ。Cimg0244

 ミン教授は、「農業・農村の発展なしには、先進国にはなれない」と、サムスンの人脈やマスコミを総動員して、農業者の啓発活動を進めている。アグリ・ベンチャー大学を主催して、先駆的な農業人を育てることに熱中しているのだ。

 アグリベンチャー農業大学は、正規の大学でもなんでもない。卒業したからといって、特別な資格が得られる訳ではない。それに、10万円近い授業料を払うのだが、入学希望者が殺到している。現在、第六期生になっているが、150人の定員に対して毎年4~5倍の競争率になるそうだ。

 ベンチャー農業大学では、経営学やマーケティング、デザイン、消費動向などをテーマに、一流の講師陣から学ぶことが出来る。だがそれに増して、実践的な意識改革活動、ベンチャー大学での交流を通じた様々なネットワークの構築に大きな意味がありそうだ。

 特筆すべきは、大学の講師陣が全てボランティアだということだ。学長の農林大臣を始めとして、優良企業のトップや学者、それに俳優までもが講師陣に名を連ねている。

 KBSを始めとしたマスコミはこの活動を活発に報道し、生徒のみならず講師陣のモチベーションを大きく鼓舞している。つまり、ベンチャー農業大学で学び教えることが、自身の誇りやステイタスになるのだ。Cimg0274

 民間企業のシンクタンクの一私人の取り組みにしては、いかにも大掛かりである。だが、サムスン経済研究所も、今では彼の活動を認めざるを得なくなっているようだ。彼もまた、国や企業の発展のためには、それが必要だと納得させているようだ。

 ソウルのサムスン経済研究所の訪問、それにベンチャー大学の本拠を置いている錦山郡農業技術センター(国の農業試験場)での大会への参加をつうじて、その熱気を大いに感じさせられることになった。

 

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2006年8月10日 (木)

職人芸と産業

 団塊の世代の大量退職で、技の伝承が危惧されている。フライス盤や研磨技術にもマニュアル化されていない技があって、その技が日本の産業を支えていると言うのだ。

 でもそれは、団塊の世代への世辞の様にも聞こえてくる。なぜなら近代工業社会は、職人芸をマニュアル化・機械化することで成長してきたからだ。だから職人の名人芸は、常に抹消させられるべき対象だったはずだ。 その証拠に、指物師や彫金師、それに茶師だって、既に伝統工芸や無形文化財としてして存続しているだけだ。

 その埒外にあったのが、これまでの農業だ。天候と駆け引きをしつつ栽培管理して、コンスタントに良質なものを量産する。この技術は、今日でも優れた観察眼と資質を持つ者だけの技である。マスクメロンを始めとした果菜類はもちろん、水稲だって「米作り日本一」のコンクールがつい20年前まであった。

 そんな農業の技が、徐々にマニュアル化され始めている。トマトの糖度は、普通4~6度くらいである。そして7度以上のトマトを高糖度トマトと呼んでいる。いわゆるルーツトマトである。この濃縮トマトを生産するには、水の管理が極めて難しい。トマトの濃度と生産量が反比例するからだ。糖度が15度もあるトマトが出来ても、収穫量が少なくてとても採算には合わないし、場合によれば枯れてしまったりもする。Cimg0222

 実はこの加減をするのが、経験と感を生かした名人の技であった。ところが一枚の布が、この技を無用にしてしまった。トマトの鉢に差し込んだ不織布が、湿気を敏感に感じてこれを電気信号に変える。この信号を感じたコンピュータが、冠水を始める。原理はそれだけである。それだけで、名人が失業することになった。

 この仕掛けを使えば誰でも高糖度トマトを生産できる訳で、経営の規模も無限に拡大できるようになった。トマト生産で、起業が可能になったのである。

 この国には、世界に冠たる工業技術がある。もちろん、多様なセンサー技術が発達している。その先端部分を農業の分野に生かすことができれば、農業はまだまだ進化する可能性を秘めていると思う。

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2006年8月 2日 (水)

アグリニクス研究会

 農工連携を目指す新しい研究会が発足した。静岡理工科大学と市の肝いりで、農業を元気にしようと言う意図である。人材育成や農業分野でのコンピュータの活用などに取り組もうとしている。

 その研究会の発足に当たって、農業と工業の融合について話をしなくてはならなくなった。実はテーマを頂いてしばらく、そもそも「融合」とは少々大袈裟ではないかと思案していた。核融合なら大きなエネルギーを出すだろうが、細胞融合では大きな成果は期待できないのではないか・・、などと逡巡していたのである。

 それで、一般の株式会社の農業参入を含めて新しい風が吹き始めていること、農業が産業として成長するための環境が整いつつあることなどをお話させて頂いた。Cimg0206

 熱心に頷きながら聴いてくださった方も多く、かなり話し易く感じられた。時代の変わり目には、当事者にとって将来への不安や戸惑いは避けようもない。だから不安の先にある確かなものを、必死になって探そうとする。そいした黎明の中から、着実な歩みが始まっていく。各地で開かれる勉強会は、そうした前進の前触れなのだと思う。「アグリニクス」の新語と共に、この地域の農業が大きく発展することを願って止まない。

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2006年7月23日 (日)

生まれ変わる茶農業

 牧の原の茶畑の只中に、豪奢なホテルのような建物がある。何とこれが、(有)丸東製茶の本拠であり、荒茶の加工工場なのです。Cimg0188

 静岡県のお茶は、これまで茶農協と呼ばれる共同加工によって発展してきました。沢山の生産者が少しずつお茶を栽培していましたから、それを加工する施設をみんなで作ったのです。旧ソ連のコルフォーズのような組織なのですが、かつては良く機能していました。

 ところが最近では、機械化が進んで大面積の管理が出来るようになりました。それに生産者が高齢化して、茶園の管理を持て余すようになってきたのです。それで今、維持できなくなった共同体を解散して、会社組織の経営体が次々に生まれているのです。Cimg0187

 この会社も、平成14年に8人の社員によって設立されました。そして現在、茶園71ha、年商5億円余を上げています。茶農協時代とは違って、組織全体から活力が伝わってきます。厳しさの増す経営環境の中で、このような組織が新しい農業の時代を創造していくのだと思います。

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2006年7月21日 (金)

新しい産業としての農業

 昭和20年代には、この国の人口の半分以上が農家人口だった。多くの人々が、少ない耕地面積を少しずつ耕して生活していた。だから農業は、農家の家業でしかなかった。

 その後、農業就業者はずっと減り続けてきて、今日では全就業人口の4%程度でしかない。しかも、その半数近くが70歳以上なのである。農業生産が、過去の形のままで止まるならば農業は急速に縮小せざるを得ない。だが古い農業が衰退する一方で、今、新しい産業としての農業の成長が始まっている。

 菊川市に、T園芸KKという農企業がある。カジュアルな鉢物を生産し、全国の量販店に供給している。従業員は約50人。年商は10億円近い。大型化する末端流通に対応できる生産システムの構築で、企業経営を発展させている。Cimg0183

 海外から種苗を輸入すると共に、作業を分業化単純化してマニュアル化し、低コストな製品作りに成功している。約2haの生産温室では、様々な植物が移動ベンチの上で育っていた。Cimg0184

 水稲を中心とした経営や茶業、メロンやトマトなどの施設園芸、対規模な果樹園経営など、かってとは少しばかりイメージの違う農業が育ち始めている。零細な農業もそれなりに大切なのだが、企業化できるシステムの開発が、今、研究部門に求められている。 

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2006年7月 4日 (火)

雑草考

 蒸し暑い日の続くこの日本は、モンスーンの国である。高温多湿な気候は、様々な植物を繁茂させる。逆に、ヨーロッパのような少雨で冷涼なところでは、満足に草も生えない。だから牧草を大切に育てて、牧畜を中心とした農業をやってきた。だが日本では、アッと言う間に雑草のジャングルになってしまう。牧草を育てるのも大変だし、ゴルフ場の芝のような状態を保とうとすると、どうしても除草剤が必要になる。

 水田もほおって置くと、ヒエやセリ、オモダカ、ミズアオイ、カヤツリグサの仲間がたちまち繁茂して、稲が隠れてしまうほどになる。肥料は、野生的な彼らがみんな吸収してしまう。だから昔から農民は、この雑草の駆除のために大変な労力を費やしてきた。人力頼りの田草取りは、腰が立たなくなるほどの重労働だ。Cimg0167

 今日の稲作は、多くの場合除草剤を散布する。雑草の成長ホルモンに異常を起させて枯らしてしまうのだ。ところが近年、有機農業を始めとして化学合成農薬ねとりわけ除草剤を嫌う傾向がある。さりとて雑草が蔓延しては美田も台無しで、満足な収穫は得られない。それは代議士諸侯の、「田草取」と同様である。額に汗して、雑草を抜いて回るほかない。

 私達の最も身近にある植物が雑草だが、人間にとって都合の悪い植物であることは事実だ。農業は、この雑草との戦いから始まった。化学の力を借りずに雑草を退治することが出来るのかどうか。高感度センサー搭載の除草ロボットとか、除草タニシを開発するしか無かろうと思う。雑草だけを食べるタニシの養殖など、不可能だろうか?

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2006年6月15日 (木)

農工連携って何?

経済産業省が「地域クラスター」などと、何だか訳が分からないような事を言っている。「東京の官僚主導ではなくて、地域で勝手に工夫して産業(クラスター=房)を起してみろ。」と言うことだが、これが今流行っている。それで何をやっているかと言うと、産学官や異業種が集まって研究会をやる。違った分野が付合う事で、新しいイノベーションが起こるだろうと言う訳である。

 その流れが、農業にも波及している。農工連携研究会とか農工交流会、バイオマス研究会などが盛んに開かれるようになった。昨日もその一つに出席したのだが、熱心な勉強とは裏腹に別の議論もある。今更、一体どうしようと言うのか。トラクターにしろ農薬や肥料・生産資材すべからく農工連携の賜物ではなかったのか? ・・・・・と言う疑問である。Cimg0133

 にわかづくりの農工連携には、幾つかの時代背景がある。一つはも農業の業態が激変していることにある。就業者がどんどん減って、生産構造を変えなくては生産が維持できないところまできている。構造改革には、工業のノウハウが不可欠だろうと言う次第だ。第二には、工業側の野心がある。新たなベンチャーとして農業に参入できないか、はたまたマーケット創造への思惑である。

 そして三番目は、農工業ともに技術開発が行き詰まっていることだ。大学も研究機関も企業の研究者も、次の目標を定めかねて立ち竦んでいる。製造業に関しては、ITやデジタルなどと確かに高度な発展をしているように見える。だが研究者にとって見れば、手の平の上に乗る技術開発は既にやりつくしている。生産性の上で遅れているのは農業だ。だからここに、研究開発の余地を見出そうと言う思惑である。大変結構で、必要なことなのだが・・・・思いは複雑である。

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2006年6月 9日 (金)

瑞穂の国の日本人

 昨日、日本列島のほとんどが梅雨入りしました。日本人は古の昔から、この時期に田植をしてきました。シトシトと降る雨のお陰で、代掻きや田植が出来ます。それとは逆に、この時期に収穫期を迎える麦にとっては、全く不都合な雨になります。欧米の農業が小麦と牧畜を基本にしてきたのに対し、日本列島の農業は水田稲作を基礎にしてきた。その訳は、この梅雨にあったのです。

 よく考えてみると、この日本の農法は相当に特異なものといえます。何故なら、苦労して水を引いて、土をドロドロにこね回して、そこに稲の苗を手植えする。大変な重労働の連続です。一方、ミレーの絵(種まく人)を思い出してみてください。あの種を蒔く彼らと比べると、日本の農法は特別なものだと感じるでしょう。Cimg0128

 この水田農法は、狭い農地から多くの収穫を得るための民族の知恵だったのです。それに水田には、畑のような嫌地という現象はありませんから連作が出来るのです。だから、作付地を換えていく必要もありません。一ヶ所に定住して、生活を営む基礎が水田だったのです。

 日本人は、この水田を切り開くために大変な努力を続けてきました。その証拠に、新嘗祭を始めとした皇室の主な行事も、この稲作がベースになっています。それにもちろん、全国各地の秋祭りも米の収穫を祝うものでした。でも今日の日本人は、米を一年に60kgも食べません。その代わりに小麦や大麦を一人当たり58kgも輸入して食べているのです。あまりにも不自然な生活ですよね。今日の技術では、米だって立派なパンになるのです。何とか、民族の新たな知恵を編み出す必要がありそうですね。

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2006年6月 1日 (木)

赤煉瓦の志

 札幌に来ている。遠州から、わずか五時間でここまで来てしまう。飛行機による時間距離の短縮を、今更ながら実感する。それに、携帯電話からブログを書けるなんて、ホテルの一室で何故か感動している。

 今日の会議は、北海道庁の赤レンガ庁舎で開催された。それには、意味があった。今日のテーマが、北海道が15年近く進めてきた「クリーン農業」についてなのだ。道は、昨年食の安心安全条例を制定し、全国に注目された。遺伝子組換を排除し、有機農業的な要素を全面に出したのだ。公的機関としては、画期的なことである。Cimg0116_1 その会議を、明治中期に建設されたこの赤レンガ庁舎で開催するのは、象徴的な意味がある。

 近代農業は、肥料や農薬を使って自然をコントロールしてより多くの成果を上げることだった。その考え方や技術を見直そうと言うのである。食料基地としての北海道の、消費者へのPR戦略との見方もある。だが陣頭指揮をしてきた麻田副知事は本気である。

 確かに私達は、お釈迦様の手の平の上でやりすぎてきた事もある。だが有機農業が、人類を支えきれるかと言うとそれは無理だと思う。きちっと安全を限りなく確保した上で、生産力を最大にする。それが科学と言うものだろう。進歩を盲目的に信じるのは間違いだが、進歩を否定するだけでは人類の明日は無い。有機農業を、一つの技術として極めるのは良い。だがそれは、一歩間違うと科学の否定になる。

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2006年5月31日 (水)

田植と日本人

 30年ぶりに田植をした。私の勤務する試験場の品種圃の田植である。数多くの品種を作るので、機械植ができない。そこで、人海戦術に駆り出されたという訳である。腰を曲げ一本一本手植えする作業は、想像以上の重労働である。日本人は二千年以上にわたって、この労働に耐えてきた。Cimg0106

 中国の長江下流域からこの列島に稲作が伝わったのは、縄文時代だろうか。以来それまでの採集狩猟中心の営みから、土地を耕す文化が広がった。考えてみれば、低地に水を引いて泥田を作って苗を植えるなどは、随分風変わりな農法である。でもその農法が、このモンスーンの地域にあっていた。

 何故、ヨーロッパのような畑作や牧畜にならなかったのか。・・・多くの疑問が残るが、田のできる土地は限られていた。限られた土地から、可能な限り収穫を増やす工夫。それが手植えであった。

 命の糧を生み出す田。その貴重な財産を、人々は命を懸けて守ってきた。まさに一所懸命である。ほんの少し前まで日本の文化のルーツは、集団的稲作にあると言われていた。しかし今、水田農業は機械力を駆使した大農方式に変わりつつある。そんな日本人の、ルーツに思いをはせながらの田植となった。

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2006年5月28日 (日)

遠州の農業風土

 遠州地域には、独特の農業風土があるような気がします。それは、小さな面積で多くの収益を上げる作目への傾斜です。温室メロンを始めとした施設園芸が典型的で、トマト、セルリー、シロネギ、エビイモ、バラ、ガーベラ等もそうですね。そうして、キャベツとかダイコン、ハクサイ、ニンジン、レタスのような広がりを必要とする産地が少ない。

 長野県や茨城県のような産地が、何故成立しないのでしょうか? それはやはり、土地の制約に原因がありそうです。東海道メガロポリスの中央部にあって、土地に対する過度な資産信仰がありました。それに自動車関連などの製造業も多く立地していますから、就職先にも苦労しなかった。だから発想が、そうした大農方式にいかなかったのでしょう。

 磐田市に(株)増田採種場という、キャベツ類の種で知られる会社があります。栄養価の極めて高いプチベールという野菜を開発して、注目された会社でもあります。この会社ではその他にも、緑色のカリフラワーとか、青汁の成分の多い肉厚のケールなど、いろいろな新しい野菜を提案しています。でも地元の遠州地域には、なかなか定着しない。

 その増田採種場が、この遠州をケールの産地にしたいと頑張っています。会社自身が栽培に乗り出しただけでなく、青汁をグリーン・ジュースとして売り出したり、Cimg0097 青汁アイスクリームの販売まで計画しているのです。ケールは、ビタミンやミネラルを豊富に含む野菜で、南ヨーロッパ原産の植物です。ラットを使った試験などの結果から、学習能力の発達や生活習慣病の予防に関与するのではないかとの報告もある野菜なんですね。産地化を応援したいですが・・・・。

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2006年5月24日 (水)

砂地の妙

 これでも取りあえず場長だから、今日は少しだけ農業について書くことにします。

 かつて海岸近くの砂地は、痩せて乾燥し易くて農地としては不利なところでした。だから食べ物が豊富になると、あちこちに荒地が目立つようになったのです。

 でも今では、植物工場のように人工の培地で作物を栽培したりする時代ですよね。よく考えると、砂地には有利なことが一杯あります。第一サクサクと耕作がし易いこと。それに、洗わなくても土が落ちる。水だって、農業用水が完備している。肥料は思うように選択すればどうと言うことは無い。・・・・と言う訳で、砂地は実は素晴らしい農地だったんです。

 唯、沢山の人が少しずつ農地を管理していたために、合理的な経営が出来なかっただけなんです。ところが耕作放棄地が広がるようになって、改めて砂地の良さを着目する人が出てきた。

 岐阜県でツマ物を生産しているYフーズKKです。10ヘクタール余りの荒地を借りて開墾し、大規模なダイコンの生産を始めたのです。ダイコンは、加工して刺身の下に敷くあのツマになるのです。毎日何トンものダイコンを原料として確保しなくてはいけない業態ですから、直接生産に乗り出したんですね Cimg0095

 ダイコンに限らず、シロネギでもニンジンでも、一定の規模で機械力を駆使すれば、かつての農業とはまったく違うイメージの経営が可能なのです。発想を変えるだけで、荒れ果てた砂の農地は宝の山になりそうですね。

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2006年5月15日 (月)

天敵

 人間関係にも相性があって、たまに苦手な人がいる。そんな商売敵を称して、天敵のようだと言ったりする。だが、生き物の生存関係は熾烈で、他を食することで自分の生命を維持している場合が多い。草食獣を獲物にする肉食獣のように、まさに弱肉強食の世界である。

 でもそれで自然界は、上手くバランスしていたりする。草食獣の敵が無くなれば増殖しすぎて飢えなくてはならないし、肉食獣にしても獲物が無くては生きられないからだ。

 温室メロンの連作障害を防ぐために、高温の蒸気で殺菌するようになった。もろもろの雑菌が死滅して、メロンが良く栽培できるようになった。ところが、これまで無かった病気が発生するようになった。高温に耐える菌だけが生き残っていて、これが誰はばかることなく増殖して悪さをするようになったのだ。メロン毛根病である。Cimg0084

 茶の大害虫クワシロカイガラムシだけを食べるてんとう虫がいる。ミカンハダニにはカブリダニなどと、自然界は均衡するようになっている。人間がこのバランス調整に失敗すると、手痛いしっぺ返しにあう。人間界も、いろんな人の色々な意見があるから良いのだろう。

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2006年4月25日 (火)

セルリー産地

 天竜川右岸の下流地域は、暖地セルリーの日本一の産地です。この地域で栽培が始まったのは昭和18年ですが、戦後の駐留軍の需要に刺激される形で、栽培が徐々に増えていきました。

 そして、三方原用水とビニールハウスの普及が、セルリー栽培を本格化させる大きな契機となりました。経済成長に伴う高級野菜嗜好とも相俟って、それまでの白菜やダイコンなどの露地野菜から転換していったのです。

 肥沃な土壌を好むこの作物を上手く育てるには、高度な技術が求められます。でもこの地域には、全国に先駆けて新たな作目を見出し、その栽培技術を競い合う進取の気性がありました。セルリーは、そうした浜松洋菜の代表的作物です。_041

 浜松地域のセルリーの出荷は秋口から五月中旬までで、現在終盤を迎えています。この地域の出荷が終わると、長野県などの高冷地からの出荷が始まります。

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2006年4月24日 (月)

農業と水

 社会経済の状況や技術水準は、農業の形態を決める重要な要素に違いない。だがそれ以上に、水の確保と治水は、農業の歴史を常に大きく変えてきた。天竜川下流域の農業を、時代の要請に応じて変えてきたのも、この水と言っても過言では無いだろう。

 金原明善用水や寺谷用水は、天竜川下流の扇状地を安定した水田農業の沃野に変えた。それに昭和39年から本格的に整備されてきた三方原用水は、それまでのハクサイやダイコンといったものから商品性の高い作物、施設園芸へと大転換を遂げる契機となった。

 浜松市は、工業都市でもあるが一大農業生産都市でもある。セロリ、ハネギ、馬鈴薯、トマト、チンゲンサイ、それにガーベラを初めとした花々と、実に多彩で特徴の有る生産形態を発達させている。その発達のルーツを辿ると、いずれの場合も「水」に帰結する。

 その三方原用水は、秋葉ダムで取水され遥々22kmのトンネルで導水し、ファームポンドに貯水されて大地の隅々に送られる。そして安定した水圧を維持するために、109ヶ所に写真のような加圧タンクが配置されている。_040

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2006年4月13日 (木)

紅ほっぺ

 イチゴは、私達にとって最も身近な果物と言える。店頭には、様々な品種が「我こそは主役なり」と覇を競っている感がある。それぞれ品種によって、味も食感も随分と違っている。Dscf0411

 実はイチゴは、各県がその産地の浮沈をかけて、戦略的に品種育成を競っている品目だ。栃木県の「とちおとめ」、福岡県の「あまおう」、静岡県の「章姫」と言った具合である。イチゴは栄養繁殖をさせるのが一般的だから、品種の退化や消費動向の変化に合わせて、常に品種更新が求められている。静岡県でも、この育成に随分と力を入れている。

 今、静岡県の育種した「紅ほっぺ」が全国的に注目を集めている。見かけよりも味本位の品種で、プロ栽培者向きである。評判が実に良くて、今年からこの品種を産地の中心にすえることになっている。

 だが、一つの懸念が持ち上がっている。海外からの輸入である。イチゴの育成者権の保護されていない韓国では、もっぱら日本で育成されたイチゴ品種が作られている。その韓国で、今年からイチゴを育成者権の対象植物にする方向を打ち出した。それは結構なのだが、意外なことになりそうなのである。

 日本の法律では、「海外で育成者権保護の対象となっていない場合に、輸入を差し止めできる」ことになっており、今度は日本で育成された品種でも、韓国内で品種登録されていないと、日本への輸入が阻止できなくなるのである。・・・何とも割切れない気がするが、早急な対応が必要になっている。

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2006年4月12日 (水)

新しい農業生産

 近頃、面白い生産・経営形態の農業が、次々と登場している。ダイコンを大規模なスケールで生産して、ツマに加工して流通させている若葉フーズKKや、雇用労力のフル活用による高糖度トマト生産のルートファームなどである。

 磐田市南部に立地した〔有〕静岡ファームもその一つである。この春から、青シソの無農薬周年栽培を開始している。現在は600坪のハウス4棟だが、今後12棟にまで増やし、雇用者100名余として、年間6億円程度の販売を見込んでいる。Dscf0406

 普通の青シソの栽培では、通じ様多くの農薬散布が必要になる。その作物を経営資源としてあえて選び、隔離度を高めた特殊な栽培施設で無農薬を実現し、食品メーカーや外食店と直接取引するのである。逆転の発想である。

 全国で6社がこの農法に取り組んでいるが、いずれも建設会社や電機メーカーといった異業種からの参入である。新しいビジネスモデルとして、今後の動向をおおいに注目していきたい。研究者としては、新しいビジネスを生み出すシステム開発に、ことさら無関心ではいられないでしょう。

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2006年4月10日 (月)

先駆農業者

 大杉実さんにお会いできた。彼は、かつて旧豊田町に中国野菜を持ち込み、金原士朗さんなどと共に日本の食材として定着させた張本人である。導入当初は食べ方も分からないとあって、各地のスーパーマーケットの店頭に立って、フライパン片手にPRして回ったそうである。おかげでチンゲンサイなどは、ごく普通の日本の野菜になった。

 かつて兼業農家の小規模な栽培だったチンゲンサイも、今では浜松市などで大規模な経営が幾つも登場している。この端緒を開いたのが、現在73歳になる大杉さんなのである。

 その大杉さんが苦心の末に、今度は「青菜花〔チンツァイファ〕」の生産と産地化を実現させた。チンゲンサイの花芽が、えぐみもなくて美味しいことに目をつけたのだ。「この花芽を周年コンスタントに生産したい」との思いを実現させたのだ。

 何人かの研究者にも相談を持ち込み、ついに「やまと興業」のLED〔発光ダイオード〕と結びつくことになる。冷蔵庫の中で苗を育て、花芽分化した苗をほ場に定植することで、コンスタントに花芽を生産できるようになったのだ。Cimg0043

 この花芽が今、高級料亭などから引っ張りだこである。大杉さんの飽くなき探究心が、農業の一つの可能性を切り開いたのである。「何とか実現できないだろうか」この気持ちこそ、研究者の心構えでなくてはならないと思う。

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2006年4月 6日 (木)

新茶シーズンを前に

 今年は際立って春が早く、新茶の摘み取りも早場では12日位から本格化するようです。静岡茶市場の恒例の新茶初取引も20日と決まりました。昨年より5日早まっています。Cimg0024_1

  ところでその静岡茶市場が開設されて、今年で50年になります。静岡県が株式の1/6を保有していますから、立派な第三セクターです。茶市場設立当時の茶の取引は、サイトリと呼ばれる斡旋商によって扱われるのがもっぱらでした。

 その取引を近代化しようとして設立されたのが茶市場ですが、設立当初は一部の市場ボイコット運動などもあって,駿府お茶騒動と呼ばれる騒ぎまで起こりました。流通を変えるということは、既得権との摩擦もあって何時の時代でも大変難しいことなんですね。

 今年の一番茶の価格動向が、業界の一大関心事になっています。確かに所得を大きく左右する重大事ではありますが、出来たお茶を売ると言う姿勢ではなく、消費側のいかなるニーズにも機敏に対応できる、しかも確実に利益を生み出せる生産体制がどうしたら出来るのか・・・知恵を集めて工夫して行きたいものです。

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2006年4月 5日 (水)

梨花

 「李下に冠を正さず」とは、スモモの木の下で冠を直したりしているとスモモ泥棒と間違えられかねない。だから他人の疑いを受けるような行為はするなとの戒めのようです。ともあれ今、我が家の梨花は満開です。Cimg0003_1

 今日は静岡での会議の前に、何人かの知恵者を訪ねることが出来ました。そのお一人は、静岡理工科大学の塩田学長さんです。これからの教育や産業のあり方についてご教授頂いたのですが、その中で「変わり始めた農業の可能性をより具体化するには、新しいシステムが必要だろう。『アグリニクス』のような言葉を創って、研究に拍車をかけたらどうだろう」とご示唆をいただきました。

 もうお一人はY産業の社長さんで、茨城県のある農企業家について伺うことが出来ました。この企業は、一億円近くを投資して立派なガラス温室を建設している。温室では、芋切干の乾燥をするんです。もちろん観光客も引き込んだりするのですが、芋の切干が今、健康食品産業の雄になろうとしている・・・・というお話です。

 食料に対する国民の最終消費支出は、約80兆円もあるのですが、国内農業はこの内9兆6千億円しか得ていない。加工や流通サービス部門が、その多くを獲得しているのです。これはやはり、静岡県の石川知事が言っているように、生産性を上げるシステムを開発して、加工・流通に回っている付加価値を獲得するしかないですね。

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