2008年6月29日 (日)

My・農園

うっとおしい、梅雨空である。Cimg5913

その梅雨空の下で、私の農園は今日も息づいている。

葡萄のハウスが約1000㎡、オクラが400本、

それにキュウリや茄子、ニガウリやトマト、薩摩、枝豆など、Cimg5912

そんなに半端な農園ではない。

ヨトウムシや猫、うどん粉病気にやられたりするけれど、

彼らは、日一日と変化を続けている。Cimg5911

人間は存外安気なものだが、彼らは季節の移ろいを必死で受け止めている。

原始、人は森を開き、土地を耕すことで定住を可能にしてきた。

そこには、可能な限り人間に有益な植物を育てることが生命線だった。Cimg5910

そうして人は、五感を研ぎ澄ませて作物を育ててきた。

そのDNAが、私にも確実に伝わっている。

そうして人間も、彼らと同じ自然の一部なのだ。 Cimg5909

この三ヶ月、彼らと共に過ごす時間がかつて無く多かった。

否、そうした時間の方が自然なのだろうと思う。

しかし明日からは、彼らともかなり疎遠にならなくっちゃならない。

今、幾ばくかの寂寥感を感じている。

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2008年5月14日 (水)

近所の野良猫

近所に灰色の薄汚い野良(?)猫がいる。Cimg5464

これまで大抵は、私の葡萄ハウスに来て、アナを掘ってトイレを済ませていた。

「まっ良いか」と思って大目に見てきた。

その内に、春先にはハウスのシートの下で子供を生んでいた。

それもまあ~、しょうがないか~と見過ごしてきた。cat

だが、今度ばかりは、怒り昇天である。「CIMG5466.JPG」をダウンロード

私はここ数年、大量のオクラを栽培している。

今年も4月の初旬に、畝を作って種をまいた。Cimg5470

2週間ほどで綺麗に生えそろったなと思っていた矢先、

一週間ほどで、ほとんどが消えうせていた。

さてはヨトウムシかと考えてのだが、植え穴が皆掘り返されている。

そんな馬鹿な~。

その穴掘りの張本猫が、くだんの貧相な猫であった。

植え穴が柔らかいもんだから、それを次々と掘り返していく。

それで、数百株が全滅と言う次第である。

今日、止む無く黒マルチをすることにした。

キャッもマルチがあっては、よもや掘り返せまい。

しかしながら、何と骨の折れることか。!!

あの野良に、私は何か悪い事したっけ??

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2008年4月23日 (水)

葡萄の生長

私の育てている、葡萄がグイグイと生長している。Cimg5289

三月の末ごろから、芽が膨らんできて、

毎日、芽掻きを続けてきた。

今では、早生のサマーブラックや甲斐美嶺は、つぼみを大きく伸ばし始めている。

これから、先ずは枝を整える棚着け、それが終わると花房整理、Cimg5291

花が咲いたらジベレリン処理で種無しにする。

粒が膨らんできたら、摘粒だ。

今月から来月にかけて、葡萄の管理は最も忙しくなる。

それに彼らは、毎日毎日、その姿を変化させていく。Cimg5290

定年退職して、彼らと接するのが益々楽しくなった。

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2007年4月27日 (金)

フラワー・イズ・パワー

浜名湖のガーデンパークで、フラワーフェスタが始まった。Cimg3191

三年前の浜名湖花博の、メモリアルイベントとして今年で二回目である。

広大な公園を会場に、名実ともに花を楽しむことの出来る催事になった。

静岡県の石川嘉延知事は開会式の挨拶で、Cimg3190

「どうして皆さんの顔が、こんなににこやかなんでしょう・・・・」と語りかけた。

花の様々な力を、語ろうとしたのだ。

花には、十の徳が有るといわれる。Cimg3193

人を和やかにしたり、心豊かな気分にしたり、文化的な空間を作り出したり、

時には、人の結束を作り出したりする。

花を梃子に、コミュニティーを育てることだって出来る。Cimg3196

花を頂けば、たいていの人は喜ぶはずだ。

特に異性から頂くなんてことになれば、これは有頂天になっちまう。

ともあれ花は、人の心を動かす原動力になる。Cimg3197

浜松市立高校の合唱も素晴らしかった。

この一ヶ月、目一杯の動きをしてきて、今日は心なしか気持ちが和んだような気がする。

やっばり、花は良い。

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2007年4月 8日 (日)

不揃いな春

斉一なる事を持って良しとす。Cimg3118

工業でも農業でも、生産性を上げようと思ったら真っ先に考えることだ。

だが、希望に反して今年の新芽は、極めて不揃いだ。

私の栽培している葡萄にしても、15cmも伸びた枝がある一方、

今から顔を出そうとしている芽もある。Cimg3119

梨は、昨年末の暖冬でかなり花を咲かせてしまった。

だから、花の数がめっきり少ない。

一斉に芽が出て、同じように伸びてくれれば管理はスムーズにできる。

でも植物は、昨年からの暖冬と、この春先の寒さに敏感に反応している。

並木のケヤキも、まだらな芽の出方をしている。Cimg3120

彼ら植物は、気象の激変に備えて自己防衛しているのだ。

仮に先に出た芽が寒さで枯れても、後詰がチャンと控えていると言う訳だ。

でもまあ、不揃いでも可愛い葡萄の新芽なのだ。

できることなら私の力で、きっちりと育ててやろうと思っている。

春本番はこれからなのだから。

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2007年2月26日 (月)

保守的な食の中で

概して、人は食に関して保守的である。

子供の頃から食べつけていたものを、にわかに手放したりはしない。

新しい食材が出たからと言って、珍しさで食するものの毎日食べようなどとはしないものだ。

それでも日本人の食は、弥生の昔から少しづつ変わってきた。

今日の私達の食は、たとえば室町の人間から見たら、まったくの別物になっているだろう。

30年ほど前のことだ。

この静岡の地で、中国野菜を何とか特産にしようと考えた男がいた。

農協の技術員だった、大杉実さんだ。

彼は、磐田青果連の金原士朗さんと組んで、チンゲンツァイを日本の野菜にしてしまった。

大杉はこの野菜の生産を、爺ちゃん婆ちゃんに託した。Cimg2859

専業の農業者は見向きもしなかったからだ。

10㎡程度のハウスをレンタルして、小物野菜研究会を組織して生産を拡大していった。

金原は、フライパンを片手に全国のスーパーマーケットの店頭に立った。

「奥さん、新しい野菜だよ。桜海老とこの野菜で、人間が怒らなくなるよ!」そう叫んで歩いた。

やがてチンゲン菜は、すっかり日本の食卓に入り込んだ。Cimg2856

始めは、婆ちゃんの小遣い稼ぎだった生産が、典型的な都市集約農業の作目になった。

今では、大勢の従業員とともに数ヘクタールの生産も珍しくない。

そのチンゲン菜の品種審査会が、私の研究所で行われた。

全国の種苗業者が、新しい品種を出品している。Cimg2860

その18の品種を同じ条件で栽培して、優れた品種を選び出す。

メーカーも審査員も、真剣そのものである。

同じようなチンゲン菜に見えても、よく見るとみんな違う。

成長にバラつきのあるもの、色の違い、ノツポやヅングリ、ぼけてハクサイの様になるものさえある。

30年前、海のものとも山のものとも分からなかったチンゲン菜。Cimg2863

その次の品種を、全国から技術者が集まって選定する様になったのだ。

保守的な日本人の食が、又少しだけ変わったのだ。

そのきっかけを作ったのが、二人の涙ぐましい熱意だったことを誰も知らない。

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2007年1月30日 (火)

カーネーションって

昭和30年頃だろうか、小学校で母の日のためにカーネーションが配られたことがあった。

みんな赤い花をもらったのだが、数人が白い花だった。Cimg2618

その時、父子家庭のお父さんには白い花なのだと教えられた。

その花の白色が、子供心に少しばかり未知の世界の存在を知らせてくれた。

カーネーションは、ナデシコの仲間である。Cimg2638

原産は、スペインやギリシャのあたりらしい。

ノルマン人の移動や十字軍によって、全ヨーロッパに広まったとされている。

この日本には、江戸初期の出島にオランダから伝わった。

だから、オランダ石竹と呼ばれていた。Cimg2624

その花が、何故か分からないのだが、母の日のシンボルとして大ブレイクする。

そのカーネーションのブレイクが、花き園芸の広がりを促した。

日本人が、身近に花を買って愛でるきっかけになったのだ。

ところがこの花は、日持ちが良いために最も早く国際商品化した。

世界の最も適地で栽培して、その花を世界中に輸出する。Cimg2625

この方式は、バラや洋ランにも広がって、国内の花生産を圧迫し続けている。

世界最大のカーネーション生産基地は、コロンビアのボゴタ高原にあって、ハウスの面積が数十ヘクタールもある農場が幾つもある。

もちろん、日本にも輸出されている。

それに日本の母の日の前には、世界中からカーネーションが輸入される。

国内の生産者だって、手をこまねいている訳ではない。 Cimg2627

次々と新しい品種を栽培して、より一層の美しさと鮮度を武器に、必死の防戦に努めている。

だから今カーネーションは、フリルのある花やら切れ込みの深いもの、青や紫と実に多彩になっている。

あなたは、コロンビアから輸入した花を、お母さんに贈りますか? 

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2007年1月28日 (日)

カボチャ!!

カボチャの話をしよう。Cimg2576

考えてみると、カボチャはなかなか面白い素材だ。

もちろんカロテンやビタミンBが豊富で、テンプラでも煮つけでも美味しい。

花だって種だって食べられるのだ。

それに、観賞用のカボチャも可愛い。

冬至にカボチャを食べると、中風にならないと言う。

保存性の有るカボチャが、野菜の少ない冬に緑黄色野菜として、実に重要な役割をしていたのだろう。

今では、保存の必要とて無い。

トンガあたりから、採りたてのカボチャが輸入されるからだ。

カボチャは、メキシコなど中央・南アメリカ原産で、1541年にポルトガル船によって九州にもたらされた。

戦国大名の大友宗麟に献上されたのだ。

その時のカボチャがカンボジア産だったことから、カボチャと呼ばれるようになった。

始めは、水っぽくて筋張ったものだったらしい。

しかし日本人は、これを徹底的に改良してきた。

しこうして、栗カボチャはもとより、おもちゃカボチャやひょうたんカボチャまで様々になった。

古俗としても、、色々と日本の歴史に定着している。

京都の安楽寺では、土用にカボチャ供養が行われる。

お参りすると、中風に効くのだとか。

天国に上る梯子に見立てられたりもする。

アメリカではハロウィーン(10/31)のカボチャ提灯だが、

日本では飼料用の巨大カボチャコンクールが面白い。

案外これから、健康食としてカボチャが見直されるのではないかと思う。

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2007年1月27日 (土)

金魚草

私の好きな花の一つで、ゴマノハグサ科の多年草だ。

原産は地中海沿岸のようだが、多彩な花に改良されて、今では世界中で栽培されている。

花の名を、英国ではスナップドラゴン(竜の口)という。Cimg2619

この日本では、金魚草と呼ぶ。

それぞれ、独特の花の形にちなんだ命名なのだが、日本では金魚の尾っぽに見立て、片や英国では竜だという。

同じ島国なのに、発想の違いに少しばかり驚かされる。

露地では五月から咲く花だが、伊豆半島のハウスでは今が花の盛期である。

やわらかな赤や黄色の花が、ホッと心和ませてくれる。

それが、金魚草の好きなところだ。Cimg2637

近年、F1品種が導入されるようになって、花の色も形も随分と多彩になった。

違った個性が交流すると、思わぬことも成し遂げる。

人も花も、同じなのだろう。

伊豆で生産された花は、多くが関東方面に出荷され、千葉県に次ぐ産地になっている。

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2006年12月21日 (木)

神農伝説

 人間は、何を食すればよいのか。

 否それよりも、古代においては何が食べられるのかが大問題だったはずだ。

 無論、自然界には毒草もあるし河豚のような魚もいる。

 人間はそれを、試したり改良したりしながら今日に至っている。

 神農は、古代中国の伝説の神様だ。Cimg2484

 彼は紀元前二千七百年の昔、野山を駆け巡っては様々な草本を試し、その味や香り・効能を調べて回っていた。

 ある時神農が、毒草を食べてしまって七転八倒して苦しんでいた。

 その時、たまたま近くにあった芳しい葉っぱを食べた。

 その葉には解毒作用があって、見る見る体が浄化された。

 この葉っぱがお茶の葉で、以来、神農は人々にお茶を薬草として広めたのだそうだ゛。

 最近の二十年の間に内外の学者が、競って茶の機能性について研究に取り組んだ。

 その結果、カテキンやテアニンなどの茶に含まれる成分の役割が明確にされた。

 抗菌や殺菌、抗酸化作用であったり鎮静効果だったりする。Cimg2486

 神農の予言は、科学的に見事に立証されたのだ。

 人間の経験智と言うものは、大変なものである。

 ちなみに神農は、東洋医学の始祖、薬の神様でもある。

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2006年12月19日 (火)

柚子

 もうすぐ、冬至である。

 冬至には、湯船に柚子の実を浮かべて入浴したりする。

 凍傷や神経痛の効用に加えて、殺菌や防虫効果もあるし、あの香りがそんな雰囲気を漂わせてもいる。

 だから古くから、正月のお供え餅に乗せたり門飾りに使ってきたのだろう。Cimg2479

 そもそも柚子は、中国の長江上流域の原産で、日本には奈良時代の頃伝わったらしい。

 耐寒性があって、樹勢も強健でカイガラムシや潰瘍病に免疫力がある。

 それに、極めて長寿な樹なのだそうだ。

 実際に実生から育てると、実をつけるまでに15年はかかるようだ。

 それで俗なたとえに「桃栗三年、柿八年、柚子の間抜けは十八年」などと言ったりする。

 しかし今では、接木苗が出回っていて数年で実をつける。

 そんなに気長に待つ必要は無いのだ。Cimg2352

 この初冬、たわわに黄金色の実をつけた柚子は、見るからに縁起も良さそうだ。

 ユベシに加工されたりして、ビタミン補給源としても重要なものだったのだろう。

 日本には、ミカン類やオレンジ類、雑柑類、香酸柑橘など、随分と多くのカンキツがある。Cimg2483

 柚子は、香酸柑橘の仲間だが、タチバナと同様に古くからのカンキツ類の代表と言える。

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2006年12月16日 (土)

剪定

 今年はどうも暖冬のようで、葡萄の落葉が遅れている。

 北風を待ちきれずに、今日から剪定を始めることにした。

 葡萄は、新しく伸びた枝に花をつける。Cimg2467

 だから毎年、今年実をつけた枝を切り落として、新梢の伸びるスペースを作らなくてはならない。

 それぞれ2m位伸びた枝を、一芽だけ残してばっさりと切り落とす。

 剪定を終えた所は、スカッと明るく青空が広がる。

 枝の数は無数にあるから、これを根気強く切っていく。

 それに落とした枝は、小山のようになる。

 だから乾燥してから、少しずつほぼ一日かけて焼却する。

 この作業が、年内一杯続くのだ。Cimg2468

 葡萄の栽培は、およそ機械化ということが出来ない。

 こつこつこつこつと、作業を続けるしかないのだ。

 生れ付き?短気な私なのだが、葡萄にしてもホウレンソウにしても結構耐えている。

 来春、キチッと芽を出して枝を伸ばし、花をつけることが見えているからだろうか。

 何事も、目標が見えると、苦しいことでも楽しく続けることが出来るものだ。

 否、葡萄の房が明るくなるのを楽しみながら、せっせと作業を続けている。

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2006年11月19日 (日)

ホウレンソウの休日

 今年は暖冬のようで、野菜の生長がすこぶる良い。

 だから値段は軒並み、農家泣かせの水準が続いている。

 立派なダイコンが、一本店頭で50円では生産者の手取りは25円位だ。

 畑から収穫して、水洗いする手間賃にもならないだろう。

 かく言う私も、休日には野菜作りに精を出している。 

 毎週末には、必ずホウレンソウを蒔くのだ。Cimg2354

 蒔くだけではない。

 蒔き床の調整や施肥、間引き、害虫の捕殺などなど、随分とやることはある。

 そんな訳で、私の週末の5時間位はホウレンソウのために提供している。

 農薬はテデトール(手で捕る)のみ。

 手間隙かけて育てている、そのホウレンソウが安いのだ。

 癪だから朝市なぞに出したくは無いのだが、楽しみにしている人もあると言う・・・・。

 だから今日もせっせと、種を蒔いている。Cimg2355  

 早く、痺れるような寒さが来ないかな~。

 『 空っ風 野菜の安さ 吹き飛ばし 』

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2006年11月18日 (土)

アテモヤを商品に!

 三重県の公立研究機関は、すべて科学技術振興センターに一本化されている。

 その農業研究部、紀南果樹研究室を訪れた。

 そこで、7年ほど前に食べた珍しい果物と再会した。

 アテモヤである。別名、森のアイスクリームとも言われる。

 実は以前、某試験場で試食した際にはあまり美味くなかった。

 そのアテモヤが、試食用に出てきたのだ。

 どうせ・・・と思って口にしたのだが、???? 何と、糖度は17から20度はあろうか。

 それに、実に美味しいのだ。Cimg2351

 お話を伺うと、かつて私が試食したその某試験場から、苗木を分けてもらったのだと言う。

 某試験場では、既に実用化の可能性なしとして放棄してしまっている。

 ところがここでは、葡萄のように棚仕立てにして、たわわに稔っている。

 某試験場のような鉢植えの一本仕立てでは、極めて収量が少なくて採算性が悪い。

 だから、棚仕立てにして人口受粉で十分な収穫が出来るようにした。Cimg2349

 それに、後熟が必要なこの果実は、食べ時の見極めが肝心だと言う。

 それを的確に見極めて、冷凍してしまう。

 冷凍して流通させ、消費者には完熟を提供したらどうか。

 そうすれば、文字通りアイスクリームになる。

 研究員の熱意が、一つの特産物を生み出そうとしている。

 可愛そうなのは、新しいもの好きの某試験場である。Cimg2350

 「物にしてやる」という熱意が足りなかったのだろうか? 

 折角の素材を、生かすことなく見事に逃してしまった。

 一方の研究員は、「何とか業績を上げなければ生き残れない」と事を成し遂げようとしている。

 この試験場は公立とは言え、工業などと研究部門が一本化され、予算もその中で競争的になっているのだ。 

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2006年11月16日 (木)

風土が育てた作物

 私の育てている葡萄には、ヨーロッパ系とアメリカ系がある。

 欧州種は、マスカットに代表されるように香りが良くて、実もシャキシャキとしまっている。

 日本のように高温多湿なところでは病気が多くて、極めて栽培の難しい品種だ。

 一方の米国種は、デラウェアのように、病気にも強くて日本でも立派に育つ。

 このため日本では、欧州種と米国種の特性を生かしつつ、欧米雑種を育成して来た。

 それが「巨峰」や「ピオーネ」「水峰」、それから最近の「オリエンタルスター」などの品種だ。

 日本では色々な品種が育てられて、生食用100品種、ワイン用70品種が栽培されている。

 ともあれ、欧米・米国種の形質の違いを生み出したのは何なのか。

 アメリカは、雨が少なくて乾燥しているため、植物の病気が極めて少ない。

 だから防除はもっぱら害虫と雑草対策をすればよいのだが、品種そのものが病気に強いのだ。

 この点欧州は、低温で雑草や害虫が少ない代わりに病気が多い。

 それにもかかわらず、病気に弱い品種を作り続けている。

 それぞれ風土が育てた葡萄なのに、欧州では病気に弱い欧州種をもっぱら栽培し、

 米国では、病気に強い米国種を栽培している。

 本来、逆であってしかるべきと思うのだが、何故なのだろうか。

 植物の生き方を決めるような、不思議な風土の力が、そこに有るのだろうか。

 考えてみれば人間だって、生まれ育った場所によって、随分と性格の違った人種になるよね。

 過保護にすればするほど、弱い体質になって行ったりして・・・

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2006年10月16日 (月)

My農園

 多くの人々にとって、定年退職後には有り余るほどの時間がある。

 その時間をどのように費消するかは、人生にとって大問題である。

 「ユニバーサル園芸」という言葉がある。

 植物を育てることによって、様々な福音を得ようと言うのだ。

 かの英国紳士にとって、農村で生涯を終えることが至上の幸福だと言われる。

 狩猟民族のルーツのような自然の中で、生涯を過ごすことが最高だと考えるのだ。

 いわんや農耕民族の私達である。植物と接する日々は、新鮮な心で過ごすことができる。

 私の趣味の農園には、9品種の葡萄が育っている。実の成る樹とは、日々人生の会話ができる。

 特に葡萄は、アダムとイブ以来、人類と友達なのだ。Cimg0425

 その他には、夏はオクラ。秋から春にかけては、ホウレン草を育てている。

 10月からの毎週末には、決まってホウレン草の種をまく。

 たかがホウレン草だけれど、一週間のタイム差をもって順序良く育つ風景は素晴らしい。

 遊びとしては、最高だと思っている。

 今日静岡市の清水区で、市民農園シンポジュームがあった。Cimg0424

 ロンドン大学のリチャード博士が講演したのだが、日本の農園は英国なぞよりもはるかに豊かになれると思う。

 モンスーンは雑草を繁茂させるけれど、きわめて高い作物の生産力を持っているからだ。

 『 稔り終え 人生語る ぶどう棚 』

 

 

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2006年8月 6日 (日)

夏本番

 梅雨が明けて一週間。やっとベニー(赤オクラ)の花が咲いた。草丈が一メートルを超えているのに、ずっと葉ばかりながら(花や実が無くて、中身の無いこと)状態が続いていた。Cimg0210

 一節ごとに花が着くはずなのに、みんな葉芽になってしまっていた。原因は日照不足だったのか、夏本番を迎えてこれが一転、一斉に花を着け始めたのだ。

 ツルレイシ(ゴーヤ)も、沢山の実をぶら下げて頑張っている。レイシは短日で花芽を着けるのだが、僅か一週間で見違えるようになった。Cimg0209_1

 それに、人間の体の方も暑さに慣れてきた。日本の四季が樹木の年輪を形成するように、季節ごとに私達の体もリニューアルしていく。冬には冬の、夏には夏の心身に衣替えさせてくれるのだ。

 ゴーヤの繁茂に励まされつつ、この夏を稔り多いものにしよう。「一寸の光陰 軽んずべからず」である。

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2006年7月27日 (木)

丘の上の市民農園

 清水港を見下ろす丘の上に、100区画あまりの市民農園がある。蜜柑園に囲まれた農園には、熟年世代とおぼしき夫婦があちこちに見える。「ひらおか楽農園」である。Cimg0197

 海からの風がとても心地よく、春にはみかんの花の香が満ち溢れる。そんな環境が気に入って、多くの利用者が通ってくる。簡単な日よけの下で、一日海を眺めている夫婦もあるという。

 丹精して育てた作物の愛しさ、日々の成長や収穫の喜び、もちろん大失敗もあるし、逆に教えることを楽しむ人もいる。農園は、そこだけで一つのコミュニティー、小さな社会を形成している。Cimg0196

 「夫が毎日家でくすぶっている」なんて風景よりも、1区画100㎡の管理はちょっと大変だけど、丘の上で汗をかく方が何ほど楽しいことか。成熟する社会にこそ、健康的な市民農園を育てたい。

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2006年7月26日 (水)

ツルレイシの風情

 今年の梅雨明けは、殊のほか遅れている。だから日照不足で、実のなる野菜は軒並み影響を受けている。私のオクラも花の咲きが悪いし、トマト、キュウリ、ナス、ピーマンもみんな実の成りが少ない。それに、レイシの成長を心待ちにしているのだが、未だに食べられない。

 ツルレイシはウリ科の野菜で、別名ニガウリと呼ばれる。沖縄ではゴーヤー(苦い瓜の意)と呼ばれている。TVドラマの影響で、ゴーヤーの方が一般化しているかも知れない。

 独特の苦味が、夏ばてに特に効果がありそうな気がする。成分を調べてみると、やはりビタミンCの含量が極めて多い。それに苦味の成分は、モモルディシンと言って利尿や解熱などに薬効があるらしい。Cimg0194

 成分はともかく、私はあのユニークな形が好きだ。それに、ちょっと変わった生き物を連想させるイボイボのごつごつ感も良い。ともかく、早くゴーヤーを炒めて食べたいものである。蛇足だがツルレイシは、江戸時代以前に観賞用として日本に導入されたらしい。やはり、あのエネルギーに溢れた風情が好まれたのだろう。

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2006年7月20日 (木)

オクラと朝

 オクラは、東北アフリカ原産のアオイ科の植物である。果実のぬめりとトロロ風味が特徴的で、ペクチンやビタミンB1などが多く含まれる。別名オカレンコンなどとも呼ばれて、煮物やテンプラ、バター炒めや酢豚などと調理の用途は随分と広い。

 このオクラが気に入って、数年前から栽培を続けているる何故気に入ったかというと、果実(朔果)の成長の早さだ。花が咲いたかと思うと、アッという間に収穫期を迎える。収穫を忘れたりすると、大きくなり過ぎてもう食べられたものではない。このスピード感が、なんとも良い。それに毎朝収穫できる。オクラを採りながら、朝をじっくりと味わうことが出来るではないか。Cimg0180

 と言う訳で、今年は250本ほどのオクラが育っている。それを晴れの日も雨の日も、毎日収穫する。それが良い。採ったオクラは、女房殿がどこかに持っていく。オクラは、女房のお蔵になるのだ。私には実益は全く無いのだが、収穫の喜びだけはある。それで、満足しなければなるまい。

 ところで、園芸の楽しみは何か。それは、植物の日々の成長を愛でる事と収穫だ。それに、勤労は汝を玉にする。明朝も雨だけど、たくさん採るぞ !

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2006年7月17日 (月)

ポジィティブリスト

 食べ物に残留している農薬規制の話です。ポジィティブとは、ネガティブの反対語で、これまでよりも積極的な規制への転換を意味しています。食品衛生法の改正で今年の5月29日から、すべての食品にこのポジィティブリストが適用されています。

 農薬は、「動物に毎日継続して食べさせても悪影響の無い」範囲でしか使うことが出来ません。その基準として、許容一日摂取量(DID)が決められています。これまでの規制は、「あらかじめ定められた農薬」についてだけでした。その農薬が残留基準を超えて検出された場合に流通が禁止されたのです。

 ところが新たな制度では、残留農薬の基準が定められていなくても、言い換えるならどんな農薬の成分でも、一定基準(0.01ppm)を超えて検出された場合には流通を禁止することになったのです。

 農作物を栽培するのに、定められた防除基準を守っていれば問題は起きないはずです。ところが、他所から農薬が飛散してきた場合、非常に厳しい基準が適用されている訳ですから、計測不能なほどの極微量であっても販売出来なくなる可能性があるのです。Cimg0179

 既に新しい制度が適用されて、中国産のエンドウが回収されるケースがありました。農薬を使う場合には、風向きなど周辺部にも十分注意しなくてはなりません。つまり農薬の使用には、地域全体でお互いの連携が必要なのです。

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2006年7月16日 (日)

カラスの夫婦

 カラスが巣を作った。近頃のカラスは、鉄骨入りで巣を作る。よもや構造設計の偽装がカラスの社会?にまで聞こえている訳でもあるまいが、とにかく耐震建築なのだ。せっせと針金を拾い集めては、営巣の資材にしている。かくして、地震にも負けない、立派な巣が出来上がる。Cimg0175

 問題は、彼らの食料である。どこか遠くで調達してくる分には、特別に憎むほどのことは無い。だが、分別なく私の労作を略奪するようになった。

 私はこのところ、ブドウにかまけ過ぎていた。今朝、しばらくぶりに梨の様子を見に行った。するとそこに、カラスの夫婦がいた。梨の棚の下には、白い袋が一面に散乱している。その袋を突いていたのだ。何と、私が数日を費やして被せた袋なのだ。それに梨は、まだ随分小さい。それを落として、袋を破って中の小さな果実を突いているのだ。Cimg0178

 一体全体、何ということだ。夫婦を追っ払ってしばらく、呆然とたたずむしかなかった。雀の次はカラスだ。ニャロメ~ェ。しかも奴らは、「ウマァ、ウマァ~」と鳴いて飛び去ったではないか。本当に旨いのかどうか?  その小さな実を口に入れてみた。ところが何と、これが甘いではないか。私の被せた袋は、奴らの攻撃目標になっただけだ。今更テングスを張ったところで、既に残る梨は数個でしかない。それも何時まで持つことか。限りない無力感に襲われる。いっそ、あの耐震建築をぶっ壊してやろう。

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2006年7月13日 (木)

敵機襲来

 あと一週間で収穫できる。日照不足で色付きの遅れていた早生ブドウのことだ。そのブドウに、異常事態が起こった。敵機の機銃掃射によって、ブドウの房が見るも無残にささくれている。Cimg0173

 敵機は、昨年来のあの雀とその仲間に違いない。彼らは、私の丹精しているブドウの熟れるのを、電線の高みから虎視眈々と窺っていたのだ。それが頃合い良しとばかりに、一斉攻撃に出たのだろう。私が味見すらしてないのに、遺憾千万である。しかも、りっばに育った房から順番に襲っている。まともに食べる訳でもなく、ひたすら突き回っている。私に何の遺恨があるのか・・・・。

 ニャロメーと、悔しがっていても仕方が無い。早朝から、緊急の作業を始めた。先ずは、食害部の切除。それからブドウの房に、陣笠状の防空頭巾を取り付ける。作業は、数時間を要して終わった。それからおもむろにハウスの外に出て、電線上で待機している彼らに、「明後日来い !」と言い放った。果たして、彼らの第二波攻撃は空しいものになるだろう。Cimg0176

 だが待てよ、そうとばかり言っていられない。「甲斐美嶺」という品種の、成熟期が近づいている。間違いなく、彼らの次の標的になるだろう。「明後日来い!」と怒鳴ったのは、まずかったなァ~。口は、災いの元であったか!!!!。彼らのために私の貴重な時間をあたら費やすのは、真に持って不本意だが止むを得ない。先手を打って、陣笠を全ての房につけることにした。

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